玄関を開けると足の踏み場がない。親が住んでいた家が、物とごみで埋まったまま残っている。そんな家を前にすると、「まず片付けないと、話にもならないのでは」と感じるはずです。
結論から言うと、片付けなくても売る方法はあります。不動産会社に直接買い取ってもらう形なら、家具やごみを残したままの引き渡しに応じる会社があるからです。迷うのは「売れるかどうか」ではなく、片付け代を自分で出すか、価格から引かれる形で引き受けてもらうかという点になります。
この記事では、3つの売り方を費用で比べたうえで、業者選びと契約の注意点、相続した家の期限と税金までを順番に説明します。
この記事を読むとわかること
- そのまま売る・片付けて売る・解体して売るの3つで、出費と手取りがどう変わるか
- 片付けを頼む業者で必ず確認すべき許可と、見積もりでもめないための確認点
- 家財を残したまま引き渡すときに、契約書へ書いておくこと
- 相続した家の2つの期限と、3,000万円の特別控除が使える条件
この記事の結論忙しい方はここだけ
- ゴミ屋敷の売り方は3つ。そのまま売る・片付けて売る・解体して売るの順に、売主の出費が増えていきます。
- 片付けを業者に頼むなら、市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(=家庭のごみを運ぶための許可)があるかを必ず確認します。無許可の営業は5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金の対象です。
- 家財を残したまま引き渡すときは、残置物(=残した家財やごみ)の所有権を放棄する一文を契約書に入れます。入れないと、引き渡し後の撤去費用でもめます。
- 相続した家なら、相続を知った日から3年以内に相続登記(=名義の変更)をするのが義務です。放置すると10万円以下の過料(=ペナルティのお金)の対象になります。
- 相続した空き家は、要件を満たせば売った利益から3,000万円を引けます。利益1,090万円なら、約221万円の税金が0円になる計算です。
ゴミ屋敷は片付けないと売れない?売り方は3つあります
物であふれた家でも売れます。違いは「売れるかどうか」ではなく、片付けを売主がするか、買主である不動産会社に引き受けてもらうかです。
ゴミ屋敷と呼ばれる状態の家でも、建物と土地そのものの価値が消えるわけではありません。買い手が気にするのは、中の物をどけるのに誰がいくら出すのか、という一点です。
まず、家に残ったままの物をまとめて何と呼ぶのかを押さえておきます。言葉を知っておくと、不動産会社との話が一気に通じやすくなります。
引き渡しのときに家の中へ残したままの物のことです。タンスや冷蔵庫のような家具・家電から、袋に入ったごみ、押し入れの中身まで全部が含まれます。これを専門用語で「残置物」といいます。
そのまま売る・片付けて売る・解体して売るの違い
選べる道は大きく3つです。順番に、売主が出すお金が増えていきます。そのかわり、買い手の数は増えやすくなります。
- そのまま売る:物を残した状態で引き渡す。売主の片付け費用は0円
- 片付けてから売る:中身を処分してから引き渡す。片付け代は売主の負担
- 解体して売る:建物を壊して土地だけにする。片付け代に解体費が加わる
どれが得かは、家の状態と立地で変わります。建物が傷んでいて土地だけを欲しがる買い手が多い地域なら、解体が向きます。反対に、まだ住める建物なら、そのまま売っても買い手が付きます。
3つの売り方を出費と期間で比べる
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| 項目 | そのまま売る | 片付けてから売る | 解体して売る |
|---|---|---|---|
| 売主の出費 | 0円 | 片付け代 | 片付け代+解体費 |
| 売れる値段 | 低め | 上がりやすい | 土地として売る |
| 主な売り先 | 不動産会社(買取) | 個人の買主 | 個人の買主・建築会社 |
| 固定資産税 | 住宅用地の優遇あり | 住宅用地の優遇あり | 優遇が外れる |
| 向いている人 | 早く確実に手放したい | 時間をかけて高く売りたい | 土地の需要が強い地域 |
※値段と出費の関係はあくまで一般的な傾向です。実際の金額は物件ごとに査定で決まります。
買取ならごみを残したまま引き渡せる
不動産会社が買主になって直接買い取ることを「買取」といいます。買主を探す仲介と違い、相手は最初から1社だけです。そのため、室内の写真を見せても断られにくいという特徴があります。
買取では、処分にかかるお金を会社が立て替える形になります。その分は買取価格から差し引かれます。つまり片付け代が消えるのではなく、先に自分で払うか、価格から引かれるかの違いです。
買取を選ぶと楽になること
- 内見のたびに部屋をきれいにする必要がない
- 近所の人に売り出しを知られにくい
- 片付け業者を自分で探さなくてよい
- ゴミ屋敷でも売れる。違いは片付け代を誰が出すか
- 出費は「そのまま<片付け<解体」の順に増える
- 急ぐなら買取、時間があるなら片付けてから仲介
片付け費用は誰が払う?自分で出す場合と業者に頼む場合
「片付け代は売る側が出すしかないの?」と不安になりますが、決まりはありません。契約で決めるもので、買取なら買主が引き受けて価格から差し引く形が多いです。
片付けの費用は、物の量と運ぶ距離でほぼ決まります。だからこそ、自分で運べる分を減らしておくと、業者に払う金額は下がります。
自治体のごみ収集や自己搬入を使うといくら?
家庭から出た物は、住んでいる市区町村のごみ収集で出せます。大きな家具は粗大ごみの扱いになり、品目ごとに手数料がかかります。自分で清掃施設へ運び込めば、さらに安くなる自治体もあります。
自分で清掃施設へ運んだ場合(京都府亀岡市の例)
- 前提:令和8年10月1日からの手数料、事前予約あり
- 50kgまで → 一律1,000円
- 50kgを超えた分 → 10kgごとに400円を加算
- 合計100kgを運んだ場合 → 3,000円
軽トラックを借りて何往復かできるなら、数千円で片付く部分もあります。手数料は自治体ごとに違うので、必ず自分の市区町村の案内を確認してください。
人が亡くなって発見が遅れた部屋など、体液やにおいが染みついた場所は、通常の片付けでは戻せません。専門の清掃が必要になります。費用の決まり方は特殊清掃の費用は何で決まる?見積もりの内訳・負担者・告知と売却で解説しています。
業者に頼むなら「一般廃棄物収集運搬業の許可」を確認する
量が多ければ業者に頼むことになります。このとき必ず確認してほしい許可が1つあります。家庭から出たごみを集めて運ぶ仕事には、市区町村長の許可が必要だからです。
家庭から出たごみを、お金をもらって運ぶために市区町村から受ける許可です。タクシーが営業許可なしでは走れないのと同じで、この許可がない会社は家庭のごみを運べません。これを専門用語で「一般廃棄物収集運搬業の許可」といいます。
まぎらわしいのが、よく似た名前の別の許可です。産業廃棄物の許可は工場や工事現場から出る物のためのもので、家庭のごみには使えません。古物商の許可は中古品を買い取るためのもので、運搬の許可ではありません。
許可を受けずに回収を仕事にすると、5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金、あるいはその両方の対象になります。頼んだ側も、運んだ物を不法投棄されれば後始末に巻き込まれます。
国民生活センターも、2022年11月に不用品回収サービスのトラブルについて注意を呼びかけています。相談で多いのは、広告や事前の見積もりよりはるかに高い金額を請求されるケースです。
見積もりでもめないための3つの確認
- 市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか(許可番号を聞く)
- 3社以上から見積もりを取り、作業の範囲と人数を書面でそろえて比べる
- 当日の追加料金が出る条件を、契約前に書面で確認する
- 「無料回収」をうたう巡回業者には依頼しない
見積もりは必ず書面でもらってください。口約束のままだと、作業が終わってから金額が変わっても確かめようがありません。
荷物を残したまま引き渡して大丈夫?残置物と売主の責任
残したまま引き渡すこと自体に問題はありません。ただし「残置物の所有権を放棄する」と契約書に書いていないと、引き渡し後の撤去費用でもめます。
家の中の物は、引き渡したあとも法律上は元の持ち主の物です。買主が勝手に捨てると、あとから「あれは大事な物だった」と言われかねません。だから買主は、書面での取り決めを求めます。
残置物は「所有権を放棄する」と契約書に書いて残す
売買契約書に入れておく内容は3つです。どれも難しい話ではなく、誰が・何を・いつまでにをはっきりさせるためのものです。
- 残す物の範囲(室内の家財一式、物置や庭の物も含むかどうか)
- 売主が残置物の所有権を放棄し、買主が自由に処分してよいこと
- 処分の費用を誰が負担するか(買取価格に含めるのか、別に払うのか)
貴重品や写真、権利書のように、あとから必要になる物は先に持ち出してください。引き渡し後に取りに戻ることはできません。
建物の傷み・におい・虫は伝えないといけない?
伝える必要があります。売った家が契約の内容と違っていた場合、売主は責任を負うからです。通販で頼んだ物と違う品が届いたら交換してもらえるのと、考え方は同じです。
売った家が契約で決めた内容と違っていたとき、売主が修理代などを求められる責任のことです。買主は、不具合に気づいたあと決められた期間内に売主へ知らせることで、この責任を問えます。これを専門用語で「契約不適合責任」といいます。
ゴミ屋敷では、床の傷みや水回りの故障、においや虫が物の陰に隠れていることがあります。知っていて黙っていると、あとで請求される可能性が高くなります。気づいている不具合は、すべて書面で伝えておくのが安全です。
売主も買主も不動産会社でない個人どうしの売買なら、この責任を負わない特約や、範囲をせばめる特約を結ぶこともできます。東京都の資料もそのように整理しています。知らせる期限や特約の効き方は契約不適合責任とは?古い家の売主の責任|免責特約と買取での回避法で解説しています。
- 残置物は「所有権を放棄する」と契約書に明記する
- 貴重品・書類は引き渡し前に必ず取り出す
- 気づいている不具合は隠さず書面で伝える
更地にしたほうが高く売れる?解体費用と固定資産税の落とし穴
更地にすれば高く売れそうに見えます。ただし建物を壊すと土地の固定資産税の優遇が外れ、解体費も売値にそのまま上乗せはできません。
「どうせ古い家だから、壊して土地にしたほうが早いのでは」と考える方は多いです。土地だけのほうが買い手に伝わりやすいのは確かです。ただ、お金の面では2つの落とし穴があります。
建物を壊すと土地の固定資産税の優遇が外れる
家が建っている土地には、固定資産税を安くする仕組みがあります。この仕組みがあるおかげで、同じ土地でも税額が大きく違ってきます。
人が住む家の敷地になっている土地は、固定資産税の計算のもとになる金額が下がります。200平方メートル以下の部分は6分の1です。これを専門用語で「住宅用地特例」といいます。
建物を解体すると、その土地は住宅の敷地ではなくなります。結果として優遇が外れ、翌年度から土地の固定資産税が上がります。熊本市も、住宅を取り壊したことで増えた土地の税額が、建物の分の減額より大きくなる場合があると案内しています。
固定資産税は、毎年1月1日の状態で決まります。広島市の案内によれば、年の途中で家を壊しても、その年度の建物分は1年度分かかります。解体の時期を決めるときは、1月1日をまたぐかどうかを必ず確認してください。
解体費用は税金の計算で差し引ける
よい知らせもあります。土地を売るために上の建物を壊した場合、その費用は売却益から差し引けます。売るために直接かかったお金を、税金の計算では「譲渡費用」といいます。国税庁のタックスアンサー(No.3255)も、譲渡費用の例として取壊し費用を挙げています。
ただし差し引けるのは税金の計算上の話で、払ったお金が戻るわけではありません。数字で見ると、その差がはっきりします。
1,200万円で売れる家を、解体してから売った場合
- 前提:親から相続した家、買ったときの値段が不明、仲介手数料など50万円、所有期間は5年超
- そのまま売る → 売却益1,090万円、税金は約221万円
- 解体費120万円をかけて売る → 売却益970万円、税金は約197万円
- 差し引き → 税金は約24万円減るが、解体に120万円払うので約96万円のマイナス
同じ1,200万円でしか売れないなら、解体はかえって損になります。更地にして明らかに高く売れる地域かどうかを、先に査定で確かめてください。
解体費用の目安や自治体の補助金は、空き家の解体費用が払えない場合の売却方法で解説しています。補助を出している市区町村もあります。三重県志摩市のように、除却費用の3分の2・上限30万円という例があります。
- 解体すると住宅用地特例が外れ、翌年度から土地の税が上がる
- 解体費は譲渡費用として売却益から差し引ける
- 差し引ける税金より解体費のほうが大きいのが普通
そのゴミ屋敷、片付ける前にいくらで売れるか知っていますか?
持ち続けるか、手放すか。判断の前提になるのは「現在の価格」です。
売却するか決めていなくても大丈夫です。
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相続したゴミ屋敷を売る手順と2つの期限
「親の家を片付けないまま何年も経ってしまった」という相談は珍しくありません。急ぐ理由は2つ。相続登記の3年と、税金の特例が使える期限です。
相続した家は、名義が亡くなった方のままでは売れません。そして税金の特例には締め切りがあります。片付けより先に、この2つを確認してください。
相続登記は「知った日から3年以内」が義務
法務省の案内のとおり、不動産を相続したことを知った日から3年以内に名義を変える手続きをすることが法律上の義務になりました。これを相続登記といいます。正当な理由なく放置すると、10万円以下の過料の対象です。過料は、決まりを守らなかったときに払うお金のことです。
この義務は、2024年4月1日より前に起きた相続にも及びます。その場合の締め切りは2027年(令和9年)3月31日です。親が何年も前に亡くなった家も対象になります。
遺産の分け方が決まらず間に合わないときは、「相続人申告登記」という簡単な届け出があります。詳しくは相続登記の義務化とは|2027年3月の期限と10万円の過料を解説をご覧ください。
3,000万円の特別控除は家財が残っていても使える
相続した家を売るとき、条件が合えば売って出た利益から3,000万円を引ける制度があります。使えれば税金が0円になることも多く、金額の影響がいちばん大きい論点です。
物が残っていること自体は、この制度の条件に関係ありません。ただし次の条件は満たす必要があります。
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
- マンションのような区分所有の登記がされていないこと
- 亡くなる直前に、その家に住んでいたのが亡くなった方だけだったこと
- 相続のときから売るときまで、人に貸したり住んだりしていないこと
- 売った金額が1億円以下であること
- 耐震改修(地震に強くする工事)をするか、建物を取り壊して売ること
要件の全文は国税庁のタックスアンサー(No.3306)で確認できます。見落としやすいのが最後の条件です。古い家をそのまま引き渡すだけでは使えません。2024年1月1日以後の売却なら、買主が売却の翌年2月15日までに取壊しや耐震改修をする場合も対象になります。買取で手放すときは、この点を契約書で約束してもらう形になります。
- 相続が始まった日亡くなった日。ここから期限を数える
- 3年以内相続登記の申請。遅れると10万円以下の過料
- 3年目の年末3,000万円の控除が使える最後の日
- 2027年12月31日控除の制度そのものの期限
控除の細かい要件や申告に必要な書類は、相続空き家の3,000万円特別控除とは|要件と期限を解説にまとめてあります。
売って出た利益にかかる税金はいくら?
家を売って手元にお金が入ると、増えた分に税金がかかります。この「売って出た利益」を専門用語で譲渡所得といいます。
売った金額から、買ったときの値段と売るためにかかった費用を引いた残りが、税金の対象になります。買ったときの値段を「取得費」、残りを「譲渡所得」といいます。家計簿で、売上から仕入れを引いて利益を出すのと同じ考え方です。
相続した家では、親が買ったときの値段をそのまま引き継ぎます。契約書が見つからず値段が分からない場合は、売った金額の5%を買ったときの値段とみなして計算します。1,200万円で売れたなら60万円です。
税率は、持っていた期間で変わります。国税庁のタックスアンサー(No.3208)のとおり、売った年の1月1日時点で5年を超えていれば20.315%、5年以下なら39.63%です。相続した家は親が持っていた期間を引き継ぐので、多くの場合は20.315%のほうになります。
1,200万円で売れたときの手元に残るお金
- 前提:買ったときの値段は不明で60万円とみなす、売るための費用50万円、5年超
- 売って出た利益 → 1,200万円−60万円−50万円=1,090万円
- 税金 → 1,090万円×20.315%=約221万円
- 手元に残るお金 → 1,200万円−50万円−221万円=約929万円
- 3,000万円の控除が使える場合 → 税金は0円、手元に残るのは約1,150万円
控除が使えるかどうかで、残るお金が約221万円違います。片付けや解体の前に、まず使えるかを確認してください。
このまま放置するとどうなる?管理不全空き家と条例
「しばらく置いておこう」が一番高くつきます。市区町村から勧告を受けると固定資産税の優遇が外れ、最後は行政が強制的に片付けて費用を請求します。
ごみがあふれた家は、近所からの相談で市区町村が把握します。放っておくと手順が進み、所有者の負担が段階的に重くなります。
助言・指導から行政代執行までの流れ
空家等対策特別措置法では、放っておくと危ない状態の家を「管理不全空家等」として指導できます。2023年12月13日に施行された改正で加わった仕組みです。
- 助言・指導片付けや修繕をお願いされる
- 勧告住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税が上がる
- 命令従わないと過料の対象になる
- 行政代執行行政が片付け、費用は所有者に請求される
こわいのは2段階目です。勧告を受けた時点で、住宅用地特例が使えなくなります。国土交通省も、指導に従わず勧告を受けると税の軽減措置が受けられなくなると説明しています。
段階ごとの条件や、指定を避けるための対応は特定空き家・管理不全空き家の固定資産税6倍とは|回避策と買取での手放し方で詳しく解説しています。
ごみ屋敷の条例がある市区町村は101(令和4年度)
空き家の法律とは別に、独自の条例を持つ自治体もあります。総務省の資料は、令和4年度の環境省調査として「ごみ屋敷条例」を定めている市区町村が1,741のうち101(5.8%)と示しています。
条例の内容は自治体によって違い、指導や命令、氏名の公表まで定めている例もあります。人が住んでいる家でも対象になる点が、空き家の法律との違いです。
相続放棄をすれば義務から逃げられる、とは限りません。放棄した時点でその家を実際に使っていた人には、民法940条の保存義務が残ります。判断の目安は相続放棄した空き家の管理義務と費用|放棄より買取が得なケースで解説しています。
ゴミ屋敷をそのまま買取してもらう流れ
手順は普通の売却とほぼ同じで、片付けの前に査定を受けるのが正しい順番です。問い合わせから入金まで、早ければ1か月ほどで終わります。
「まず片付けてから相談しよう」と考えると、何か月も動けません。処分費を自分で出したあとで、買取価格が変わらなかったという事態も起こります。
問い合わせから引き渡しまでの5ステップ
- 複数社へ問い合わせる住所・間取り・物の量をおおまかに伝える。室内の写真があると話が早い
- 現地を見てもらう処分する量と建物の傷みを確認してもらう。無理に片付けなくてよい
- 価格と条件を比べる残置物の処分を誰が負担するか、引き渡しの時期はいつかを必ず書面で確認する
- 売買契約を結ぶ残置物の所有権を放棄する旨、気づいている不具合を契約書に書き込む
- 引き渡しと代金の受け取り貴重品だけ運び出す。相続した家なら登記の名義変更を済ませておく
相続した家の場合、3のあたりで3,000万円の控除を使えるかどうかを不動産会社に伝えておくと話が早く進みます。買主が翌年2月15日までに取り壊す約束を契約に入れてもらう必要があるためです。
買主を探す売り方と買取、どちらを選ぶ?
買取のメリット
- 片付けずに引き渡せる会社がある
- 買主が1社なので日程が読みやすい
- 近所や親族に知られにくい
- 引き渡し後の不具合を免除してもらいやすい
買取のデメリット
- 処分費を見込む分、価格は下がる
- 会社によって提示額の差が大きい
- 買い取り対象外の地域がある
時間に余裕があり、片付け代を先に出せるなら、買主を探す売り方のほうが高くなりやすいです。期限が迫っている、遠方に住んでいる、費用を先に出せないという場合は買取が向きます。
順番を間違えないことが、いちばんのコツです。片付けるかどうかを決めるのは、査定で金額を見てからで構いません。処分費を自分で出すか、価格から引いてもらうかを数字で比べられます。
よくある質問
ゴミ屋敷は片付けないと売れませんか?
片付けなくても売れます。不動産会社が直接買い取る方法なら、家具やごみを残したままの引き渡しに応じる会社があります。ただし処分の手間と費用を見込んだ価格になるため、片付けてから買主を探す場合より安くなるのが一般的です。
片付け費用は売主と買主のどちらが負担しますか?
法律上の決まりはなく、契約で決めます。買主を探して売る場合は、売主が片付けてから引き渡すのが基本です。
不動産会社に直接売る場合は、会社が処分を引き受け、その費用を買取価格から差し引く形が多くなります。どちらも金額を書面で確認してください。
相続したゴミ屋敷でも3,000万円の特別控除は使えますか?
要件を満たせば使えます。昭和56年5月31日以前に建てられた家で、亡くなった方が一人で住んでいたことなどが条件です。
家財が残っていること自体は要件に影響しません。ただし耐震改修か取壊しが必要で、買主が売却の翌年2月15日までに行う場合も対象になります。
片付けを頼む業者はどう選べばいいですか?
市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可があるかを必ず確認してください。産業廃棄物の許可や古物商の許可では、家庭から出たごみを運べません。そのうえで3社以上から見積もりを取り、作業の範囲と追加料金の有無を書面で確認します。
この記事のまとめ
- ゴミ屋敷でも売れる。売り方は「そのまま・片付けて・解体して」の3つ
- 片付けを頼む業者は、一般廃棄物収集運搬業の許可を必ず確認する
- 残置物は「所有権を放棄する」と契約書に書いて引き渡す
- 解体すると住宅用地特例が外れ、翌年度から土地の税が上がる
- 相続した家は、相続登記3年と3,000万円控除の期限を先に確認する
- 片付けるかどうかを決めるのは、査定で金額を見てからでよい
処分費を自分で出すか、価格から引いてもらうか。比べるにはまず現在の価格を知ることから始めてください。