親の家を家族信託に入れたあと、「子の自分だけで売れるのだろうか」と迷う方は多いです。登記の名義は子になっているのに、家から得をするのは親のまま。売主は誰で、お金は誰が受け取るのか。はっきり説明されないままのこともあります。
結論から言うと、信託の契約書に「売ってよい」と書かれていれば、子だけで売買契約を結べます。親の同意も裁判所の許可もいりません。ただし税金には大きな落とし穴があります。親が亡くなったあとに売ると、売って出た利益から3,000万円を引ける制度が使えなくなることがあるのです。引ける金額のことを控除といいます。
この記事を読むとわかること
- 信託した家を子だけで売れる条件と、契約書で確認すべき場所
- 売ったお金を誰の口座で管理し、誰が確定申告するのか
- 親が生きている間に売る場合と、亡くなったあとに売る場合の税金の差
- 相続空き家の3,000万円控除が使えない理由と、先に打てる対策
この記事の結論忙しい方はここだけ
- 信託の契約書に売却の権限が書かれていれば、名義を預かった子が売主になって売れます。親の同意も家庭裁判所の許可もいりません。
- 売った代金は子のお金ではなく、親のために預かる財産です。子の生活費やローン返済には使えません。
- 売って出た利益への税金は、得をする人(多くは親)のものとして計算し、親の名前で確定申告します。税率は20.315%か39.63%です。
- 親が亡くなり、信託が終わってから売ると、相続空き家の3,000万円特別控除(=利益から3,000万円を引ける制度)は使えません。東京国税局が2022年12月20日付の回答で示しています。
- 築年数が古く買い手がつかない実家は、買取なら信託したままでも手放せます。
家族信託した不動産は、子だけで売却できる?
「親の家なのに、子が勝手に売っていいの?」と思いますよね。信託の契約書に売却の権限が書かれていれば、名義を預かった子が売主として契約でき、親の同意も裁判所の許可もいりません。
家族信託は、財産の名義だけを信頼できる家族に移しておく仕組みです。親が元気なうちに契約を結び、将来の管理や売却を子にまかせます。
名義が移るので、売買契約書に署名するのは子です。買主から見れば、売主は子です。親が認知症になっていても、この形は変わりません。
家族信託には3人の役が出てきます。財産を預ける人(多くは親)を委託者、名義を預かって管理する人(多くは子)を受託者といいます。
そして、その財産から得をする人(多くは親本人)を受益者といいます。親が委託者と受益者を兼ねる形が一般的です。
売主は受託者になる|親の同意も裁判所の許可もいらない
信託した不動産の登記簿には、所有者として子の名前が載ります。あわせて「信託」の登記もされ、受託者や受益者、信託の終了事由などが記録されます(不動産登記法97条)。
そのため売却の手続きは、子が一人で進められます。親の実印や印鑑証明書はいりません。親の判断能力が落ちていても、売買契約は有効に成立します。
ここが成年後見との大きな違いです。成年後見は、判断能力が落ちた人の代わりに財産を管理する人を裁判所が決める制度です。この制度では、本人が住んでいる家を売るときに家庭裁判所の許可が必要です(民法859条の3)。くわしくは成年後見人が不動産売却するにはで解説しています。
ただし信託契約書に売却の権限がないと売れない
権限のもとになるのは信託法です。受託者は信託財産の管理や処分をする権限を持ちます。ただし契約で制限をかけてもよいと定められています(信託法26条)。
つまり契約書に「売却できる」と書いていなければ、子は売れません。「管理する」としか書かれていない契約書も実際にあります。
- 信託財産の目録に、その不動産が入っているか
- 受託者の権限に「売却」「処分」が明記されているか
- 売却に受益者や信託監督人(=受託者を見張る役の人)の同意が必要と書かれていないか
- 信託の終了事由(いつ信託が終わるか)
- 残った財産を受け取る人が誰になっているか
契約書に売却の権限がない場合、あとから足すには信託の変更が必要です。変更は原則として委託者・受託者・受益者の三者の合意で行います(信託法149条)。そのため親の判断能力が落ちてからでは間に合いません。契約書に別の定めがあるときは、その定めに従います。
- 信託した不動産の売主は、名義を預かった子(受託者)になる
- 親の同意も家庭裁判所の許可もいらない
- ただし契約書に売却の権限が書かれていなければ売れない
売ったお金は誰のもの?受託者が使ってはいけない理由
売却代金は、名義人である子のお金になるのでしょうか。いいえ。代金は信託財産として、親のために預かるお金です。子の生活費やローン返済には使えません。
イメージしやすいのは、通帳と印鑑を預かったときの感覚です。手元にあっても、中身は自分のお金ではありません。信託した不動産も、売った代金も同じ扱いです。
代金は信託財産として預かるお金
不動産が売れると、信託財産の中身が「家」から「現金」に変わるだけです。得をする人は、売る前も売ったあとも親のままです。
そのため代金は、信託のための口座で受け取って管理します。親の介護費用や施設の費用は、ここから支払えます。
預かった財産を自分の財産と分けて管理することは、信託法34条が受託者に義務として課しています。不動産の場合は、信託の登記をすることがその方法になります。
預かった財産は、自分の財産と混ぜずに分けて管理する必要があります。家計の財布と、町内会で預かったお金を同じ封筒に入れない、という感覚に近いです。この分け方を分別管理といいます。
自分のお金と混ぜると責任を問われる
代金を子の生活費に使うと、二つの問題が起きます。一つは、信託の目的に反する行為として、ほかの家族から責任を問われることです。
もう一つは税金です。親のための財産を子が自由に使えば、実質的な贈与とみなされる余地があります。売却後の代金の使い方は、税理士に確認してから動くのが安全です。
売却代金で迷わないための3つの原則
- 代金は信託用の口座で受け取り、子個人の口座と分ける
- 支払いは「親のため」と説明できるものに限る
- 入出金を帳簿に記録して残しておく
税金を払うのは親?子?確定申告の名義と税率
名義が子なら、税金も子が払うのでしょうか。違います。売って出た利益への税金は、得をする人である親のものとして計算し、親の名前で確定申告します。
利益は受益者のものとして計算する
所得税法13条は、信託財産の資産や負債は受益者が持っているものとみなす、と定めています。そこから生まれる収益や費用も受益者のものとして扱われます(国税庁の通達)。
売主の名義は子でも、税金の世界では親が売ったことになります。確定申告をするのは親です。親の医療費控除などと同じ申告書にまとめます。
家や土地を売ったとき、売った値段から「買ったときにかかったお金」と「売るためにかかった費用」を引いた残りが利益です。フリマアプリで仕入れた品を売ったときの儲けと同じ考え方です。この利益を譲渡所得といいます。
税率は売った年の1月1日時点の所有期間で決まる
税率は2段階です。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば低く、5年以下なら高くなります。
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| 所有期間(売った年の1月1日時点) | 合計の税率 | 内訳 |
|---|---|---|
| 5年を超える(長期) | 20.315% | 所得税15%+住民税5%+復興特別所得税 |
| 5年以下(短期) | 39.63% | 所得税30%+住民税9%+復興特別所得税 |
※税率は国税庁 No.3208・No.1440 をもとに記載しています。
相続で受け取った不動産は、親が買った日を引き継いで数えます。相続した日からではありません(国税庁 No.3270)。
親が何十年も住んでいた実家なら、ほぼ長期の20.315%になります。短期の39.63%になる条件は短期譲渡所得は何年まで?で解説しています。
建物は年数分だけ「買ったときの値段」が減る
利益の計算では、建物の価値が年々減っていく分を差し引きます。古い家ほど「買ったときの値段」が小さくなり、利益が大きく出ます。
自宅のように仕事に使っていない建物は、買った値段に0.9を掛け、決まった率と経過年数を掛けて計算します。差し引ける上限は買った値段の95%です(国税庁 No.3261)。この差し引きを減価償却といいます。
信託した実家を3,000万円で売ったときの税金
- 親が40年前に買った自宅。減価償却を済ませたあとの「買ったときの値段」は2,000万円
- 売った値段は3,000万円、売るためにかかった費用は100万円
- → 利益=3,000万円−2,000万円−100万円=900万円
- → 所有期間は5年超なので長期。900万円×20.315%=約182万円
この900万円に特別控除が使えるかどうかで、税金は約182万円から0円まで変わります。次の章で見ていきます。
- 名義は子でも、税金は得をする人である親のものとして計算する
- 確定申告は親の名前で行う
- 税率は売った年の1月1日時点の所有期間で20.315%か39.63%
生前に売るか、亡くなったあとに売るかで税金が変わる
売る時期はいつでもよいのでしょうか。実は親が生きている間に売るか、亡くなったあとに売るかで、使える控除が変わります。同じ家でも手残りが数百万円違うことがあります。
控除とは、税金の計算をするときに利益から引ける金額のことです。引いた残りがゼロなら、税金もゼロになります。
生前に売る場合はマイホームの3,000万円控除を検討できる
自分が住んでいる家を売ったときは、利益から最高3,000万円を引けます。所有期間の長さは問われません(国税庁 No.3302)。
以前住んでいた家でも対象になります。住まなくなった日から3年を過ぎる日の属する年の12月31日までに売ればよい、という決まりです。施設に移った親の実家も、この期限内なら間に合います。
ただし配偶者や一定の親族、同族会社など特別な関係にある相手に売った場合は使えません。信託したままの売却でこの控除が使えるかは、受益者が誰かなど個別の事情で変わります。売る前に税理士へ確認してください。
亡くなったあとに売る場合は控除が使えないことがある
親が亡くなると、多くの家族信託はそこで終わります。信託が終わると、不動産は契約書で決めておいた人に移ります。
信託が終わったときに、残った財産を受け取る人のことです。契約書にあらかじめ名前を書いておきます。遺言で渡す相手を決めておくのと似ていますが、法律上は別のものとして整理されます。この受け取る人を帰属権利者といいます。
ここが落とし穴です。帰属権利者として受け取った実家を売ると、相続空き家の3,000万円特別控除が使えません。
親が生きている間に売れば控除を検討できるのに、亡くなったあとだと使えない。同じ家、同じ金額でも結果が変わります。
売る時期で税金がどれだけ変わるか
- 前提は上の具体例と同じ。利益は900万円、所有期間は5年超
- → 親が生きている間に売り、マイホームの3,000万円控除が使えた場合:課税される利益は0円なので税金は0円
- → 親が亡くなり、信託が終わってから売った場合:控除が使えず900万円×20.315%=約182万円
差は約182万円です。売る時期を決める前に、どちらの控除が使えるかを確認してください。
家族信託で実家を預かっているなら、親が生きている間に売るという選択肢を必ず検討してください。亡くなったあとでは、相続空き家の3,000万円特別控除という最大の武器を失うことがあります。
その実家、信託したまま今いくらで売れるか知っていますか?
持ち続けるか、手放すか。判断の前提になるのは「現在の価格」です。
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家族信託で相続空き家の3,000万円控除が使えない理由
なぜ控除が使えないのか。理由は条文の書き方にあります。この控除は「相続または遺贈(=遺言で財産を渡すこと)で受け取った人」だけが対象で、信託の終了で受け取るのは別の扱いになるからです。
東京国税局の回答|信託終了で受け取るのは「相続」ではない
2022年12月20日付で、東京国税局が文書回答事例を公表しています。母が委託者と受益者、子が受託者という信託で、母の死亡により信託が終了した事例です。
残った不動産は、受託者である子と弟に移りました。二人はその翌年に売却し、この控除を使えるかを照会しました。
回答は、適用は認められないというものでした(東京国税局の文書回答事例)。
理由は、控除の条文が「相続又は遺贈により取得した」人に限っている点です。信託の終了による取得は、そこに当たらないと整理されました。
この回答は東京国税局としての見解であり、照会した人の申告内容を拘束するものではないと明記されています。とはいえ実務では、同じ結論になる前提で考えておくのが安全です。
空き家の3,000万円控除のそもそもの要件
この控除は、亡くなった人が住んでいた家を相続人が売るときのものです。要件はかなり細かく決まっています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 受け取り方 | 相続または遺贈で取得していること |
| 建てられた時期 | 昭和56年5月31日以前に建築されていること |
| 建物の種類 | 区分所有建物の登記がされていないこと |
| 相続直前の居住 | 亡くなった人以外が住んでいなかったこと |
| 売る期限 | 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで |
| 売った値段 | 1億円以下であること |
| 制度の期限 | 2027年12月31日までの売却 |
※国税庁 No.3306 をもとに主な要件をまとめています。老人ホームに入っていた場合の例外などもあるため、個別の判断は税務署や税理士にご確認ください。
要件の中身は相続空き家の3,000万円特別控除とはで詳しく解説しています(国税庁 No.3306)。
- 親が亡くなる(相続開始)多くの家族信託はここで終了する
- 3年を経過する日の属する年の12月31日相続空き家の3,000万円控除が使える期限
- 2027年12月31日控除の制度そのものが使える期限
先にできる4つの対策
控除が使えないと分かったあとで打てる手は、ほとんどありません。だからこそ、信託を組む段階で売却まで考えておく価値があります。
- 親の判断能力があるうちに、信託したまま売ることを検討する
- 信託に入れる財産を選び、売る予定の実家は信託から外しておく
- 契約書の終了事由と、残った財産を受け取る人の定めを税理士と司法書士の両方に見てもらう
- 控除が使えない前提で、手残りの見込みを計算しておく
どれも、親の判断能力があるうちでなければできません。家族信託を組んだ時点で、売却時の税金まで設計しておくことが大切です。相続後の税金の全体像は相続した不動産の売却にかかる税金はいくら?で確認できます。
- 相続空き家の3,000万円控除は「相続または遺贈で取得した人」限定
- 信託の終了で受け取った場合は対象外と東京国税局が回答している
- 対策は親の判断能力があるうちにしか打てない
家族信託と成年後見、売却のしやすさはどう違う?
どちらを選べばよいか迷いますよね。判断能力があるうちに準備できるなら家族信託、すでに落ちているなら成年後見しか選べません。
成年後見は自宅を売るのに家庭裁判所の許可が必要
成年後見は、判断能力が落ちた本人の代わりに財産を管理する人を、家庭裁判所が決める制度です。選ばれた人を成年後見人といいます。
後見人が本人の住んでいる家を売るには、家庭裁判所の許可が必要です(民法859条の3)。許可を取らずに結んだ売買契約は無効になります。
許可の申立てには時間がかかり、売却のスケジュールが読みにくくなります。認知症が進んでからの売却については認知症の親の不動産売却はできる?をご覧ください。
家族信託は判断能力があるうちしか契約できない
家族信託は契約です。契約の意味を理解できる力を欠いた状態でした法律行為は無効になります(民法3条の2)。認知症が進んだあとでは、家族信託という選択肢はなくなります。
一方で、いったん組んでおけば売却はスムーズです。裁判所の関与がないので、買主の都合に合わせて決済日を決められます。
メリット
- 親の判断能力が落ちても、子だけで売却を進められる
- 家庭裁判所の許可や定期的な報告がいらない
- 売却代金を親の介護費用にすぐ使える
デメリット
- 親の判断能力があるうちしか契約できない
- 相続後に売ると空き家3,000万円控除が使えない
- 契約書の作成に専門家の費用がかかる
横にスクロールできます
| 項目 | 家族信託 | 成年後見 |
|---|---|---|
| 始められる時期 | 親に判断能力があるうち | 判断能力が落ちたあと |
| 自宅を売るときの許可 | いらない | 家庭裁判所の許可が必要 |
| 売主になる人 | 受託者(子) | 成年後見人 |
| 代金の使いみち | 契約書で決めた目的の範囲 | 本人のための支出に限られる |
| 相続空き家の3,000万円控除 | 信託の終了で受け取ると使えない | 相続で取得するので要件を満たせば使える |
※制度の概要を比べたものです。個別の可否は専門家にご確認ください。
買い手がつかない実家は買取という出口がある
信託した実家に買い手がつかないときはどうすればよいか。不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」なら、信託したままでも手放せます。
築年数が古い家、駅から遠い家、傾いた家。仲介で売り出しても、何か月も反応がないことがあります。その間も固定資産税はかかり続けます。
買取なら受託者の負担が1回の契約で終わる
買取では、買主が不動産会社そのものです。内覧の対応や値下げ交渉の繰り返しがありません。
子が遠方に住んでいる場合、内覧の立ち会いだけでも大きな負担です。買取なら、契約と決済の2回で終わります。
残置物を片付けずに引き渡せる場合もあります。実家の片付けや売却の段取りは実家売却の流れも参考になります。
仲介と買取のどちらを選ぶか
買取は仲介より価格が下がるのが一般的です。会社が自社のリスクで買い取り、修繕して売り直すからです。
判断の目安は時間です。控除の期限が迫っている場合や、親の介護費用がすぐ必要な場合は、買取のほうが総額で有利になることもあります。
期限に間に合わず控除を取り逃がすほうが、値下げより痛いこともあります。両方の見積もりを取って、手残りで比べてください。
- 信託契約書を確認受託者に売却の権限があるかを先に見る
- 複数社に査定を依頼信託した物件であることを伝えて見積もりを取る
- 受託者として売買契約売主は子。信託の登記も買主側が確認する
- 決済・引渡し代金は信託用の口座で受け取る
売却前に確認する5つのこと
- 信託契約書に売却の権限があるか
- 売る時期を親の生前にするか、相続後にするか
- 使える控除と、その期限
- 売却代金を受け取る口座と、使いみち
- 確定申告を誰の名前でするか
- 仲介で売れない実家には買取という出口がある
- 買取は価格が下がるが、期限と手間の面で有利になることもある
- 判断の前に、信託契約書と控除の期限を確認する
よくある質問
家族信託した家を売るとき、親の同意は必要ですか?
信託の契約書で受託者に売却の権限が与えられていれば、親の同意は必要ありません。売主は受託者である子です。ただし契約書に「受益者の同意を得る」と書かれている場合は、その定めに従います。まず契約書の権限の記載を確認してください。
売却代金を子の口座に入れてもいいですか?
子個人の口座ではなく、信託のための口座で受け取って管理します。代金は親のために預かる財産で、子のお金ではありません。自分の財産と混ぜると、ほかの家族から責任を問われたり、贈与とみなされる余地が出ます。
確定申告は子の名前でしてもいいですか?
できません。信託した財産の利益は受益者のものとして扱われるため、受益者である親の名前で確定申告します(所得税法13条)。売主の名義が子であっても変わりません。申告の内容は税理士に確認すると安心です。
判断能力が落ちてからでも家族信託はできますか?
契約の意味を理解できない状態では結べません。その場合は成年後見を使うことになり、自宅を売るには家庭裁判所の許可が必要です。家族信託を検討するなら、親が元気なうちに動く必要があります。
この記事のまとめ
- 信託契約書に売却の権限があれば、名義を預かった子が売主になって売れる
- 親の同意や家庭裁判所の許可はいらない。これが成年後見との最大の違い
- 売却代金は親のために預かる財産。信託用の口座で分けて管理する
- 利益への税金は親のものとして計算し、親の名前で確定申告する(税率20.315%か39.63%)
- 相続後に信託の終了で受け取って売ると、空き家3,000万円特別控除は使えない
- 期限や手間が問題になる実家は、買取という出口も比べて決める
使える控除と期限は、売る時期で変わります。手残りを比べるには価格の目安が必要です。まず現在の価格を知ることから始めてください。