「買った値段より安く売るのだから、税金はかからないはず」——ワンルームマンション投資の損切りを考えている方の多くがこう思っています。しかし実際には、現金では大きく損をしているのに、数十万円から百万円単位の税金を納めることになるケースがあります。原因は、税金の計算に使う「取得費」が購入価格そのものではなく、賃貸していた期間の減価償却費を差し引いた金額になるためです。この記事では、なぜ損なのに課税されるのかという仕組みから、自分のケースでの譲渡所得の計算方法、所有期間5年の判定で税率が倍近く変わること、ローン残債を含めた手残りの出し方、そして仲介で買主が付かないときに買取で手放す選択肢までを順に説明します。
ワンルーム投資の損切りで「売却損なのに税金がかかる」のはなぜか
損切りをためらう理由の多くは価格そのものですが、実際に手放したあとで「聞いていなかった」と言われるのは税金です。まずは仕組みを押さえておきます。
税金の計算に使う「取得費」は買った値段ではない
不動産を売ったときの税金は、売却価格そのものではなく「譲渡所得」に対してかかります。譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いて求めます。ここでいう取得費は購入代金や購入時の諸費用の合計ですが、建物部分については所有期間中の減価償却費相当額を差し引かなければならないと国税庁が定めています(国税庁 No.3261 建物の取得費の計算)。
土地は時間が経っても減価償却をしないためそのままですが、建物は年を追うごとに税金計算上の価値が下がっていきます。つまり同じ物件を同じ値段で売っても、長く持っていた人ほど取得費は小さくなり、譲渡所得は大きく計算されます。ワンルームマンションは価格に占める建物の割合が比較的高いため、この影響を受けやすい物件です。
手元の損と、税金計算上の利益は別物
多くの方は「2,000万円で買って1,600万円で売った=400万円の損」と考えます。この感覚は日常的には正しく、実際に現金は減っています。しかし税金の計算では通用しません。建物の減価償却が500万円進んでいれば、税金計算上の取得費は1,500万円まで下がっており、1,600万円で売れば計算上は利益が出ている扱いになります。
売買契約書の購入価格と売却価格だけを見比べて「損だから申告は不要」と判断してしまい、あとから税務署に指摘されて延滞税まで負担することになった、という相談は珍しくありません。損切りを決めた段階で、売却価格の見込みと減価償却の累計額をもとに、譲渡所得がプラスになるかマイナスになるかを先に確かめておくべきです。
賃貸に出していた物件ほど課税されやすい
賃貸に出していた物件は税務上「業務用」として扱われ、毎年の確定申告で不動産所得の必要経費に減価償却費を算入してきたはずです。国税庁は業務用建物の取得費について、その期間内の各年分の必要経費に算入される償却費の額の累計額を差し引くと定めています。自宅として使っていた非業務用の建物は、法定耐用年数を1.5倍した年数に対応する償却率を使い、さらに0.9を掛けて計算するためゆっくりとしか減りませんが、賃貸用は本来の耐用年数で毎年しっかり償却が進みます。
「減価償却で節税できる」と勧められて購入した方ほど、売却時の譲渡所得は膨らみます。減価償却による節税は税金をゼロにするものではなく、保有中に減らした税負担の一部を売却時に精算している側面があるということです。
自分のケースを計算する|譲渡所得の求め方と具体例
仕組みがわかったら、次は自分の物件で概算してみます。必要なのは購入時の売買契約書、毎年の確定申告書に添付した減価償却の明細、そして売却価格の見込みの3つです。
譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)
計算式そのものは単純です。売却価格から、取得費と譲渡費用を引いた残りが譲渡所得になります。譲渡費用とは売却のために直接かかった費用のことで、国税庁は次のようなものを挙げています(国税庁 No.3255 譲渡費用となるもの)。
- 売却のために不動産会社に支払った仲介手数料
- 売主が負担した売買契約書の印紙税
- 貸家を売るために入居者へ支払った立退料
- 土地を売るためにその上の建物を取り壊したときの費用と建物の損失額
一方、毎月の管理費や修繕積立金、固定資産税、ローンの利息などは譲渡費用に含められません。これらは保有中のコストであって、売却のために直接かかった費用ではないためです。ここを誤って計上すると税額を過少に見積もることになります。
建物の取得費は減価償却費を差し引いて求める
取得費のうち土地の部分は購入時の金額をそのまま使い、建物の部分だけ減価償却費の累計額を差し引きます。賃貸用として使っていた期間については、毎年の確定申告で必要経費に入れてきた償却費の累計額がそのまま差引額になります。定額法の場合、1年あたりの償却費は「建物の取得価額×償却率」で求めます。
償却率は建物の構造ごとの法定耐用年数によって決まります。鉄筋コンクリート造の住宅用建物は耐用年数47年で、対応する定額法の償却率は0.022です。木造の住宅用建物であれば耐用年数22年、償却率は0.046となり、木造のほうが速く償却が進みます。自分の物件の数値は、確定申告書に添付してきた減価償却費の計算明細で確認するのが確実です。
2,000万円で買い、20年後に1,600万円で売ったケース
鉄筋コンクリート造のワンルームマンションを2,000万円(土地800万円・建物1,200万円)で購入し、20年間賃貸に出したあと1,600万円で売却した場合を計算してみます。
| 項目 | 金額 | 計算の内訳 |
|---|---|---|
| 購入価格 | 2,000万円 | 土地800万円+建物1,200万円 |
| 建物の減価償却費の累計 | 528万円 | 1,200万円×0.022×20年 |
| 税金計算上の取得費 | 1,472万円 | 土地800万円+建物672万円 |
| 売却価格 | 1,600万円 | — |
| 譲渡費用 | 約60万円 | 仲介手数料59.4万円+印紙税1万円 |
| 譲渡所得 | 68万円 | 1,600万円−1,472万円−60万円 |
| 税額(長期譲渡所得) | 約13万円 | 68万円×20.315% |
現金ベースでは購入価格より400万円安く売っており、仲介手数料などを含めれば460万円の持ち出しです。それでも税金の計算上は68万円の利益が出ていることになり、約13万円を納めることになります。これが「損切りしたのに課税される」の正体です。保有期間が長いほど、また建物の割合が高いほど、この差は大きくなります。
土地と建物の内訳が契約書にないときの分け方
減価償却の計算には建物の取得価額が必要ですが、売買契約書に土地と建物の内訳が書かれていないことがあります。この場合は合理的な方法で区分することになり、実務では次のような方法が使われます。
- 契約書に記載された消費税額から建物価格を逆算する(土地は非課税で建物にのみ消費税がかかるため)
- 購入時点の土地と建物の固定資産税評価額の比率で総額を按分する
- 売主が保有する販売時の価格資料や譲渡対価証明書の金額を使う
そもそも売買契約書自体が見つからない場合は、取得費を売却価格の5%として計算する方法もありますが、これを使うと税額が大幅に増えることが多く、避けたいところです。詳しくは投資用マンションの取得費がわからない|契約書紛失時の5%ルールと買取で解説しています。
税率は所有期間で倍近く変わる|5年の判定は「1月1日」
譲渡所得が出ることがわかったら、次に確認すべきは税率です。土地建物の譲渡所得の税率は所有期間によって二段階に分かれており、その差はおよそ2倍にもなります。損切りのタイミングを決めるうえで、ここは無視できません。
短期39.63%・長期20.315%の違い
所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年を超えていれば長期譲渡所得となり、それぞれ次の税率が適用されます(国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算、国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算)。
| 区分 | 所有期間の判定 | 所得税(復興特別所得税込み) | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
復興特別所得税は所得税額に2.1%を上乗せするもので、2037年分まで課されます。
「売った日」ではなく「売った年の1月1日」で数える
ここが最も間違えやすい点です。所有期間は売却した日を基準に数えるのではなく、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判定します。
たとえば2021年6月に購入した物件を2026年8月に売却したとします。実際の所有期間は5年2か月ですが、判定の基準となる2026年1月1日時点では4年7か月しか経っていないため、短期譲渡所得として39.63%の税率が適用されます。カレンダー上は5年を超えているのに短期扱いになるため、「5年経ったから安くなるはず」と思い込んだまま売却して、想定の倍近い納税通知を受け取ることになります。
数か月待つだけで税額が半分になることがある
先ほどの例で、売却を2027年1月以降にずらせば、2027年1月1日時点の所有期間は5年7か月となり長期譲渡所得に変わります。仮に譲渡所得が200万円だった場合の差を見てみます。
- 短期譲渡所得で売った場合:200万円×39.63%=約79万円
- 長期譲渡所得で売った場合:200万円×20.315%=約41万円
差額は約38万円です。数か月の待機でこれだけ変わるなら待つ価値がありますが、判断は単純ではありません。待っている間の空室損失、管理費・修繕積立金・固定資産税の負担、ローン返済の持ち出し、そして相場が下がるリスクを合わせて考える必要があります。年をまたぐのを待った結果、売却価格が50万円下がってしまえば節税分は消えます。譲渡所得が小さい、あるいはマイナスになる見込みなら、そもそも税率の差はほとんど効いてきませんので、待つ意味はありません。
損切りの損は給与所得と相殺できない
損切りを検討している方から特に多い誤解が、「損が出れば確定申告で税金が戻ってくるのではないか」というものです。投資用不動産についてはこの期待は成り立ちません。
土地建物の譲渡所得は分離課税
土地や建物を売ったときの譲渡所得は、給与所得や事業所得とは合算せず、分けて税額を計算する分離課税の対象です。そのため売却損が出ても、その損失を給与所得から差し引いて所得税の還付を受けることはできません。国税庁も、土地建物等の譲渡による損失は原則として他の所得と損益通算できないとしています(国税庁 No.3203 不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合)。
なお、保有中に家賃収入より経費が上回って不動産所得が赤字になった場合は、一定の制限のもとで給与所得などと損益通算できます。保有中の赤字と売却時の損失は扱いが異なる点を混同しないようにしてください。
マイホームの特例は投資用には使えない
自宅を売って損が出た場合には、一定の要件を満たせば損益通算と繰越控除が使える特例があります。インターネットで「不動産の売却損は給与と相殺できる」と書かれている記事の多くは、このマイホーム向けの特例を説明したものです。
この特例は居住用財産、つまり自分が住んでいた家が対象で、賃貸に出していた投資用のワンルームには適用されません。同じ「不動産の売却損」でも扱いがまったく違うため、検索で見つけた情報がマイホームの話か投資用の話かを必ず確認してください。
同じ年に複数売るなら損益は相殺できる
他の所得とは通算できませんが、同じ年に売った土地建物どうしであれば、譲渡益と譲渡損を相殺することはできます。複数戸を保有していて全体を整理したい場合、利益が出る物件と損が出る物件を同じ年にまとめて売却すれば、課税対象を圧縮できる可能性があります。
ただし相殺しきれずに残った損失を翌年以降に繰り越すことは、投資用物件ではできません。年をまたぐと相殺の機会は失われるため、複数物件の売却を考えているなら、どの年に決済するかを事前に組み立てておく必要があります。
税金だけで判断しない|損切り後の「手残り」を計算する
損切りするかどうかの判断材料は税額そのものではなく、売却したあとに手元にいくら残るか、あるいはいくら足りないかです。ここを曖昧にしたまま話を進めると、決済日に必要な現金が用意できず契約が流れることもあります。
売却価格から引かれるものの一覧
売却価格がそのまま手元に入るわけではありません。差し引かれる主な費目は次のとおりです。
| 費目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | (売却価格×3%+6万円)×1.1 | 売却価格800万円超の場合の上限額。買取では不要なこともある |
| 印紙税 | 1万円 | 契約金額1,000万円超5,000万円以下・軽減措置適用時 |
| 抵当権抹消の登録免許税 | 不動産1個につき1,000円 | 土地・建物の2個なら2,000円 |
| 司法書士報酬 | 1〜2万円程度 | 抵当権抹消を依頼する場合 |
| ローンの繰上返済手数料 | 金融機関により異なる | 事前に残高証明とあわせて確認する |
| ローン残債の一括返済 | 残高証明書の金額 | 決済時に完済して抵当権を外す |
| 譲渡所得税・住民税 | 譲渡所得×20.315%または39.63% | 納付は売却の翌年。決済時には引かれない |
抵当権抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円と定められています(法務局 抵当権の登記の抹消手続について)。表の中で特に注意したいのは最後の譲渡所得税です。決済の場で差し引かれるものではなく、納付は翌年の確定申告のあとになります。決済で受け取った資金をすべてローン返済や生活費に回してしまうと、納税時期に資金が足りなくなります。
ローン残債が売却価格を上回るときの持ち出し
ワンルーム投資の損切りでは、売却価格よりローン残債のほうが多いオーバーローンの状態になっていることが少なくありません。この場合、差額を自己資金で埋めないと抵当権を外せず、売却そのものが成立しません。まずは金融機関から残高証明を取り寄せ、売却見込額と諸費用を並べて不足額を把握するところから始めます。
不足額をどうしても用意できない場合の進め方は、投資用マンションのオーバーローン売却|残債・任意売却・買取までを解説で詳しく説明しています。
持ち続けた場合のコストと比べる
損切りの判断は、売却時の損失額だけを見て決めるものではありません。持ち続けた場合に今後何年、いくら負担が続くのかと並べて比べる必要があります。確認したいのは次の点です。
- 毎月のローン返済額と家賃収入の差額(持ち出しが続いていないか)
- 管理費・修繕積立金の今後の値上げ予定
- 空室が発生した場合に何か月分の返済を自己資金で賄えるか
- 減価償却が終わったあとに増える所得税・住民税の負担
特に見落とされやすいのが修繕積立金です。築年数が進むにつれて段階的に引き上げられる設定になっていることが多く、購入時の収支計画のままでは赤字に転じます。この点は投資用マンションの修繕積立金が値上げ|赤字なら売却?買取での手放し方にまとめています。今後10年の持ち出し見込みが損切り額を上回るなら、早く手放したほうが損失は小さくなります。
買主が付かないワンルームを手放す方法|仲介と買取の使い分け
損切りを決断しても、買主が見つからなければ話は進みません。ワンルームマンションは買い手が投資家に限られるため、居住用のファミリーマンションに比べて売りにくい傾向があります。
仲介で売れにくいワンルームの共通点
仲介に出しても反応が薄い物件には、いくつか共通する要因があります。
- 空室のまま期間が空いており、買主が家賃収入をすぐに見込めない
- 設備が古く、引き渡し後すぐに原状回復や交換の費用がかかる
- 管理費・修繕積立金が高く、表面利回りに対して実質利回りが低い
- 旧耐震基準や築年数の関係で、買主側が金融機関の融資を受けにくい
買主が融資を使えない物件は、現金で買える層だけが対象になるため、候補者の数が大きく減ります。空室が続いている物件の売却については空室の投資用マンションが売れない?買取での売却方法と税金の注意点もあわせてご覧ください。
買取なら価格は下がるが期限を区切れる
買取は、不動産会社が買主となって直接物件を買い取る方法です。購入希望者を探す期間が不要なため、条件が折り合えば短期間で決済まで進められます。空室であること、設備が古いこと、入居者とのトラブルを抱えていることなども、買主が事業者であれば織り込んだうえで価格を提示してもらえます。
一方で、買取価格は仲介で売れた場合の相場より低くなるのが一般的です。事業者は買い取ったあとに原状回復や再販の費用と期間を負担するためです。判断は「高く売る」か「確実に、いつまでに手放す」かの選択になります。持ち出しが毎月続いている、あるいは納税や残債の処理に期限があるという状況なら、売却時期を確定できることの価値は価格差を上回ることがあります。実際に決める前に、仲介で売った場合の査定額と買取価格の両方を出してもらい、諸費用と税額を差し引いた手残りで比べてください。
損切りを先送りするほど選択肢は減る
「もう少し様子を見てから」と判断を延ばすと、状況は基本的に不利な方向に進みます。築年数が進めば買主が使える融資の期間は短くなり、買える人が減ります。減価償却が進めば税金計算上の取得費はさらに小さくなり、同じ価格で売っても譲渡所得は増えます。修繕積立金は値上げされ、毎月の持ち出しは膨らみます。
加えて、持ち出しが限界に達してからでは、価格交渉に応じる余裕もなくなります。売り急いでいることが相手に伝われば、条件はさらに悪くなります。損切りは早いほど傷が浅いという原則は、ワンルーム投資でもそのまま当てはまります。
損切り売却後の確定申告|必要書類と期限
売却が済んだら、譲渡所得の申告が残っています。利益が出ているのに申告を忘れると、本来の税額に加えて加算税や延滞税が課されます。
申告期間は売った翌年の2月16日〜3月15日
譲渡所得の申告は、不動産を売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に行います(国税庁 No.3102 譲渡所得の申告期限)。期限が土日にあたる場合は翌開庁日にずれます。2026年中に売却したのであれば、申告は2027年の春です。売却から納税まで1年以上空くことになるため、納税資金を使ってしまわないよう注意してください。
なお、給与所得者で普段は年末調整だけで済ませている方も、譲渡所得が出た年は確定申告が必要です。住民税は申告内容にもとづき、その年の6月以降に納付書が届くか給与から天引きされます。
用意する書類
申告にあたって用意しておきたいのは次の書類です。売却してから探すと時間がかかるため、売却を決めた時点でそろえ始めることをおすすめします。
- 売却時の売買契約書の写しと領収書
- 購入時の売買契約書の写し(取得費の証明に必須)
- 購入時の仲介手数料や登記費用の領収書
- 売却時の仲介手数料の領収書
- 毎年の確定申告で使った減価償却費の計算明細
- 登記事項証明書
特に購入時の売買契約書は重要です。これがないと取得費を実額で証明できず、売却価格の5%で計算せざるを得なくなり、税額が大幅に増えることがあります。
損失でも申告したほうがよいケース
計算の結果、譲渡所得がマイナスになり、ほかに申告すべき所得もなければ、確定申告の義務はありません。ただし次のような場合は申告することで有利になります。
- 同じ年に別の土地建物を売って譲渡益が出ている(損失と相殺して税額を減らせる)
- 譲渡所得がプラスかマイナスか微妙で、税務署から問い合わせを受ける可能性がある
判断に迷う場合は、購入時と売却時の売買契約書、減価償却の明細を持って、税務署の相談窓口か税理士に確認するのが確実です。金額が大きく計算が複雑なケースでは、税理士に依頼する費用を払っても結果的に得になることがあります。
よくある質問
買った値段より安く売ったのに、本当に税金がかかるのですか?
かかることがあります。税金の計算に使う建物の取得費は、購入代金から賃貸期間中の減価償却費を差し引いた金額だからです。2,000万円で買った物件を1,600万円で売っても、建物の減価償却が500万円進んでいれば、計算上の取得費は1,500万円まで下がっており、差額が譲渡所得として課税対象になります。実際の現金の損得と、税金の計算は別物と考えてください。
損切りで出た売却損は、給与所得と相殺できますか?
投資用不動産の売却損は、給与所得や事業所得とは損益通算できません。土地建物の譲渡所得は他の所得と分けて計算する分離課税だからです。ただし同じ年に別の土地建物を売って利益が出ていれば、その利益とは相殺できます。マイホームには損益通算と繰越控除の特例がありますが、投資用物件には適用されません。
所有期間5年の判定は、いつを基準にしますか?
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判定します。売った日を基準に数えるのではありません。たとえば2021年6月に購入した物件を2026年8月に売ると、実際の所有期間は5年2か月ですが、2026年1月1日時点では4年7か月のため短期譲渡所得となり、税率は39.63%が適用されます。
仲介で売れないワンルームでも買取なら手放せますか?
買取は不動産会社が直接買主になるため、購入希望者が現れるのを待つ必要がなく、空室や設備の古さで仲介では売れにくい物件でも手放せる可能性があります。ただし買取価格は仲介の相場より低くなるのが一般的です。ローン残債といつまでに手放したいかを踏まえ、仲介と買取の両方で見積りを取って比べることをおすすめします。
売却損が出た場合でも確定申告は必要ですか?
譲渡所得がマイナスで、ほかに申告すべき所得がなければ確定申告の義務はありません。ただし同じ年に別の不動産を売って利益が出ている場合は、申告することで損失と相殺でき、納める税金を減らせます。判断に迷う場合は、売買契約書と減価償却の記録を持って税務署か税理士に確認してください。