離婚で住宅ローンが残る家は?ペアローン・連帯保証・任意売却の選択肢

離婚時に住宅ローンが残る家の名義・連帯保証・売却の選択肢を解説する記事のイメージ

離婚の話し合いが進むなかで、いちばん後回しにされやすいのが住宅ローンの残った家です。「家は妻がもらう」「ローンは夫が払う」と2人で決めても、それで銀行との契約が書き換わるわけではありません。

結論から言うと、住宅ローンの契約は離婚しても自動的には変わりません。ペアローン・連帯債務・連帯保証のどれで借りたかによって、離婚後に誰がいくら請求されうるかが決まります。まず「ローンの名義」「家の名義」「残高と売却価格の差」の3つを確認することが出発点です。

そのうえで、住み続けるのか、売って清算するのか、売っても残債が残るなら任意売却を検討するのかを選びます。財産分与には請求の期限もあるので、先送りせずに順番に整理していきましょう。

この記事を読むとわかること

  • ペアローン・連帯債務・連帯保証で、離婚後に残る返済責任の違い
  • 住宅ローンが残る家の財産分与の考え方と、2年・5年の請求期限
  • 財産分与で家を渡すとき・受け取るときにかかる税金
  • 住み続ける側が借り換えるときの審査と注意点
  • オーバーローンのときの選択肢(自己資金・任意売却・買取)

この記事の結論

  1. 離婚協議書でローンの負担者を決めても、銀行との契約上の債務者・連帯保証人は変わりません。外れるには金融機関の審査と承諾が必要です。
  2. 連帯債務者や連帯保証人は、相手が払わなければ残高の全額を請求されうる立場です。ペアローンでも一方の延滞が他方に波及する契約があります。
  3. 財産分与の家庭裁判所への請求は、2026年4月1日以降の離婚なら離婚から5年、それより前の離婚なら2年が期限です。
  4. 家を財産分与で渡した側には譲渡所得の課税が生じることがあり、受け取った側は通常、贈与税はかかりません。
  5. 売却額で残債を返しきれないオーバーローンでは、自己資金での差額補填、任意売却、買取による早期の現金化を比べて決めます。

離婚で住宅ローンが残るときに最初に確認する3つのこと

結論

「誰がローンの債務者・保証人か」「家の名義と持分」「残高と売却価格の差」の3つを書類で確認します。財産分与の請求期限(2年または5年)も同時に押さえてください。

離婚と住宅ローンの問題がこじれる原因の多くは、夫婦がそれぞれ「自分の家」「相手のローン」と思い込んでいる点にあります。話し合いを始める前に、手元の書類で事実を確かめておくと、協議が感情論になりにくくなります。

「ローンの名義」と「家の名義」は別物

住宅ローンの債務者は銀行との金銭消費貸借契約書で、家の所有者と持分は法務局の登記事項証明書で確認します。この2つは一致しているとは限りません。

たとえば家は夫婦の共有名義なのに、ローンは夫の単独名義で妻が連帯保証人になっている、という組み合わせもあります。保証人になっているかどうかは保証契約の書面で確認できます。民法上、保証契約は書面でしなければ効力を生じないとされているためです(e-Gov法令検索 民法第446条)。

  • 金銭消費貸借契約書(債務者は誰か、連帯債務か、ペアローンか)
  • 保証契約書・保証委託契約書(連帯保証人になっていないか)
  • 登記事項証明書(家の名義と持分、抵当権の設定状況)
  • 最新の返済予定表(現在の残高と完済までの期間)

残高と売却価格を比べる(アンダーローンとオーバーローン)

次に、家がいくらで売れそうかを把握し、ローン残高と比べます。売却価格が残高を上回る状態をアンダーローン、下回る状態をオーバーローンと呼びます。どちらに当たるかで、取れる選択肢が大きく変わります。

状態 売ったときのお金 主な選択肢
アンダーローン 完済して手元に残る 売却して残りを分ける/一方が住み、代償金で清算
オーバーローン 完済できず差額が残る 差額を自己資金で補填/任意売却/住み続けて返済

※売却時には仲介手数料・抵当権抹消費用などもかかるため、手残りは売却価格から諸費用を引いて考えます。

財産分与の請求期限は離婚から2年または5年

離婚後に財産分与の話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に調停・審判を申し立てられます。ただし申立てには期限があり、2026年4月1日以降に離婚した場合は離婚の翌日から5年、それより前に離婚した場合は2年を過ぎると申し立てられません(裁判所 財産分与請求調停)。

  1. 離婚成立期限は離婚した日の翌日から数える
  2. 財産分与の協議家・ローンの扱いを決め、書面に残す
  3. 協議がまとまらない家庭裁判所に調停・審判を申し立てる
  4. 離婚から5年(2026年3月以前の離婚は2年)この期間を過ぎると申立てができない
図:財産分与の請求期限の流れ
この項目のまとめ
  • ローン契約書・保証契約書・登記事項証明書・返済予定表の4点を集める
  • 査定で売却価格を把握し、アンダーローンかオーバーローンかを確定させる
  • 財産分与の申立期限は離婚の時期によって2年または5年

ペアローン・連帯債務・連帯保証|離婚後に残る責任の違い

結論

連帯債務者と連帯保証人は、相手が払わなければ残高の全額を請求されうる立場です。離婚しても、完済するか金融機関の承諾を得ない限り、この立場から外れることはできません。

夫婦の収入を合わせて家を買う方法は、主に「連帯債務」「ペアローン」「連帯保証」の3つです。名前は似ていますが、離婚後に誰が何を請求されるかはまったく違います。

用語の補足:収入合算

1人の年収では希望額を借りられないとき、配偶者などの収入を合わせて審査してもらう方法です。合算した人も契約に加わり、【フラット35】では連帯債務者になります。金融機関によって加わり方が異なるので、契約書で確認します。

連帯債務は2人とも全額の返済義務を負う

連帯債務では、金融機関は債務者の1人に対して、または全員に対して、全部または一部の履行を請求できます(民法第436条)。夫婦で「半分ずつ」と考えていても、銀行から見れば2人とも全額の債務者です。

【フラット35】の収入合算も、合算する人が連帯債務者になることが要件の1つになっています(【フラット35】収入合算)。離婚後に元配偶者が返済を止めれば、家を出た側にも請求が来る可能性があります。

ペアローンは2本のローン。一方の延滞が他方に波及することも

ペアローンは、1つの物件について夫婦などがそれぞれ単独で借入れを申し込み、2本のローンを組む方法です。返済期間や団体信用生命保険も個別に設定されます。

ただし2本が無関係というわけではありません。【フラット35】のペアローンでは、一方が返済を怠るなどして一括返済を求められた場合、もう一方も自身の債務について一括返済を求められるとされています(【フラット35】ペアローン)。

2本のローンがどう結びついているかは金融機関や契約ごとに異なります。相手のローンの連帯保証人にもなっている契約なら、相手のローンについても全額を請求されうる立場になるため、保証の有無を契約書で必ず確認してください。

連帯保証人は「主債務者が払わなければ払う」立場

保証人は、主たる債務者が債務を履行しないときにその履行をする責任を負います(民法第446条)。さらに連帯保証人には「まず本人に請求して」と主張する権利がありません(民法第452条・第454条)。元配偶者が滞納すれば、すぐに請求を受けうる立場です。

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借り方 ローンの本数 離婚後に家を出た側の責任 外れる方法
連帯債務 1本 残高全額を請求されうる 完済・借り換え・金融機関の承諾
ペアローン 2本 自分のローンは返済が続く。契約により相手の延滞が波及 自分のローンの完済・借り換え(相手のローンを保証している場合は保証の解除も必要)
連帯保証 1本 主債務者が払わなければ全額を請求されうる 完済・借り換え・保証人変更の承諾
注意

離婚協議書に「ローンは夫が全額払う」と書いても、それは夫婦間の約束です。銀行との契約で連帯債務者や連帯保証人になっている事実は変わりません。保証人の変更・脱退も、住宅金融支援機構の手続では金融機関が新しい保証人の返済能力などを審査し、希望に沿えない場合があるとされています(住宅金融支援機構 保証人の変更)。

住宅ローンが残る家の財産分与と税金

結論

アンダーローンなら「時価−残高」の純資産を分ける考え方が基本です。家で分与すると渡した側に譲渡所得の課税が生じることがあり、受け取った側は通常、贈与税はかかりません。

財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を離婚時に分ける制度です。家庭裁判所が分与を決める場合、婚姻中の財産の取得・維持への各自の寄与の程度は、異なることが明らかでないときは等しいものとされています(民法第768条)。

アンダーローンなら「時価−残高」が分ける対象になる

家を売れば残高を完済しても手元にお金が残る場合、その残る金額(純資産)を夫婦で分ける形で考えるのが基本です。一方が住み続けるなら、出ていく側の取り分に相当する代償金を住む側が支払う形で清算します。

具体例

時価3,000万円・残高2,000万円の家を2分の1ずつ分ける場合

  • 純資産:3,000万円 − 2,000万円 = 1,000万円
  • 2分の1ずつなら、1人あたり500万円
  • → 妻が住み続け、借り換えでローンを引き継ぐなら、妻が夫に代償金500万円を支払う計算

実際の分与割合はほかの預貯金などを含めた全体で決めます。売却時の諸費用や税金を考えると、手残りは純資産より少なくなります。

オーバーローンの家は売っても借金が残るため、プラスの財産として分ける対象にはなりにくく、残る債務を誰が負担するかが争点になります。他の財産との兼ね合いで結論が変わるので、話し合いがつかないときは弁護士に相談してください。

家を渡した側には譲渡所得の課税がある

国税庁は、財産分与で土地や建物を渡した場合、分与した人に譲渡所得の課税が行われ、分与した時の時価が譲渡所得の収入金額になるとしています(国税庁 No.3114 離婚して土地建物などを渡したとき)。お金を受け取っていなくても、税務上は売ったのと同じように扱われます。

購入時より値上がりしている家では、渡した側に税金が出ることがあります。マイホームの特例が使えるかどうかは、名義を移す時期によって変わる可能性があるため(後述)、名義変更の前に税務署か税理士に確認してください。

受け取った側は贈与税が原則かからない。ただし売るときに注意

離婚で財産をもらっても、財産分与請求権に基づく給付と考えられるため、通常は贈与税はかかりません。例外は、分与額が婚姻中の協力で得た財産などを考慮しても多すぎる場合(多すぎる部分に課税)や、税を免れるための離婚と認められる場合です(国税庁 No.4414 離婚して財産をもらったとき)。

見落としやすいのが、受け取った家を後で売るときです。分与を受けた人は分与を受けた日にその時の時価で取得したものとされ、長期・短期の判定もその日から数えます(国税庁 No.3114)。

結婚当初に買った家でも、分与で取得した部分は、分与後すぐに売ると税率の高い短期譲渡所得になりえます。判定の仕組みは短期譲渡所得は何年まで?税率39.63%の落とし穴と買取での売却で詳しく解説しています。

POINT

財産分与で家を動かすときの税金の整理

  • 渡した側:分与時の時価を収入金額として譲渡所得を計算
  • 受け取った側:原則として贈与税なし。取得日は分与を受けた日
  • 名義変更の登記には登録免許税がかかる(固定資産課税台帳の価格が基準)
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離婚後も住み続ける場合の方法と注意点

結論

いちばん確実なのは、住む側が自分名義のローンに借り換えて元のローンを完済することです。名義人が払い続けて元配偶者が住む形は、滞納のリスクを住む側が負います。

子どもの学校や生活環境を考えて、どちらかが住み続けたいというケースは少なくありません。ただし住み続ける方法によって、数年後に家を失うリスクの大きさがまったく違います。

住む側の単独ローンに借り換える

離婚の合意だけでローンの債務者は変わりません。住む側が新たに自分名義でローンを組み、その資金で元のローンを完済する借り換えが基本の方法です。ここで住む側の収入による審査があります。

【フラット35】の借換融資では、年収400万円未満なら総返済負担率30%以下、400万円以上なら35%以下が条件で、原則として借換対象のローンの債務者と申込人が同一であることも求められます(【フラット35】借換融資のご利用条件)。もともと債務者でなかった人の場合は、新規の住宅ローンとして相談することになります。

具体例

年収360万円の人が借り換えで返せる年間返済額の上限(返済負担率30%の場合)

  • 360万円 × 30% = 年108万円(月あたり9万円)
  • ほかに自動車ローンなどがあれば、その返済額も含めて30%以内に収める
  • → 審査で計算される年間返済額が108万円を超えると、同じ条件のままでは借り換えが難しい

返済負担率の上限は金融機関ごとに異なります。返済期間を延ばすと月の返済額は下がりますが、総返済額は増える点も比べてください。

名義人が払い続け、元配偶者が住む形のリスク

借り換えができない場合、ローン名義人(たとえば元夫)が返済を続け、元妻と子どもが住むという取り決めをすることがあります。この形は、名義人の収入減や再婚などで返済が止まると、住んでいる側にはどうすることもできません。

家には金融機関の抵当権が付いており、抵当権者は担保の不動産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利を持ちます(民法第369条)。返済が止まれば、住んでいる人が誰であっても家が処分の対象になりえます。

名義人が払い続ける形のメリット

  • 住む側の収入で審査に通らなくても住み続けられる
  • 子どもの転校や引っ越しを避けられる

デメリット

  • 名義人が滞納すれば、住む側は家を失うおそれがある
  • 家を出た名義人は住宅ローン控除を受けられなくなる
  • 家の名義をいつ移すかを別に取り決めておく必要がある

逆に、ローンはそのままで家の名義だけを住む側に移そうとする場合も注意が必要です。住宅金融支援機構は、返済途中で住宅を他人に譲り渡すときは融資金の全額返済が必要で、無断で譲ると契約違反として違約金を求めることもあるとしています。

注意

同機構は、離婚などの事情があれば承諾を得て債務を引き継げる場合があるとしていますが、譲り受けた人がその家に住んで返済することが条件で、審査の結果、認められない場合や一部繰上返済・債務者の追加を求められる場合もあります(住宅金融支援機構 返済途中で住宅を他人に譲り渡すとき)。名義変更の登記より先に、返済中の金融機関へ相談してください。

住宅ローン控除と、取り決めを公正証書に残すこと

住宅ローン控除は、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることが要件です(国税庁 No.1211-1 住宅ローン控除)。家を出た名義人は、住まなくなった年以降は原則として控除を受けられません。

一方、連帯債務で共有していた家の相手の持分を財産分与で取得し、新たな借入れで元のローンを完済したケースについて、国税庁は追加取得した持分も住宅ローン控除の対象にできると回答しています。その年分は年末調整では適用できず、確定申告が必要です(国税庁 質疑応答事例)。

名義人が払い続ける形を選ぶなら、返済の約束を書面に残します。公証人が作る公正証書で、金銭の一定額の支払いについて直ちに強制執行に服する旨の記載があるものは、裁判をせずに強制執行できる債務名義になります(民事執行法第22条)。ただし、これも元配偶者との間の約束で、銀行との契約は変わりません。

  • 借り換えの事前審査を受け、通るかどうかを先に確かめる
  • 名義人が払い続けるなら、返済額・期間・滞納時の扱いを公正証書に残す
  • 家の名義をいつ、どう移すか(完済後など)を取り決める
  • 住宅ローン控除が誰に、いつまで使えるかを確認する
この項目のまとめ
  • 住み続けるなら、住む側名義への借り換えが最も確実
  • 名義人が払い続ける形は、滞納時に住む側が家を失うリスクがある
  • 財産分与で持分を取得して借り換えた場合、住宅ローン控除を受けられることがある

オーバーローンのときの選択肢と任意売却

結論

差額を預貯金で埋められるなら通常の売却ができます。埋められず返済も難しいなら、競売になる前に任意売却で残債を減らすことを検討します。

家を売るには、ローンを完済して抵当権を外す必要があります。オーバーローンでは売却代金だけでは完済できないため、差額をどう用意するかが問題になります。

具体例

売却価格2,500万円・残高2,800万円の家を売る場合

  • 売却代金だけでは2,800万円 − 2,500万円 = 300万円が不足
  • さらに仲介手数料などの諸費用が売却代金から出ていく
  • → 300万円+諸費用を自己資金で用意できれば、通常の売却で完済できる

夫婦の預貯金も財産分与の対象なので、差額を共有の預貯金から出すかどうかも協議で決めておきます。

差額を預貯金で埋めて普通に売る

不足額を手元資金で補えるなら、通常の売却と同じ流れで売れます。決済の日に売却代金と自己資金でローンを完済し、抵当権の抹消と買主への引渡しを同時に行います。売る前に、どちらがいくら負担するかを書面で決めておくことが大切です。

任意売却で残債を減らす

差額を用意できず返済の継続も難しい場合は、金融機関の同意を得て売る任意売却があります。住宅金融支援機構は、任意売却は競売のような強制的な処分ではなく通常の取引として売買されるため、一般的に競売より高く売れ、負債の縮減につながるとしています(住宅金融支援機構 融資住宅等の任意売却)。

同機構の手続では、状況により仲介手数料や抵当権抹消費用を売却代金から控除できることや、引渡しの時期を調整しやすいことも挙げられています。ただし任意売却は残債務を「圧縮」する方法で、残った債務の返済は続きます。

  1. 申出書の提出仲介業者を選び、機構に任意売却を申し出る
  2. 価格の承認価格査定書をもとに売出価格が承認される
  3. 販売活動専任媒介で売り、状況を機構に報告
  4. 抵当権抹消の審査買主が決まったら抹消に応じるか審査
  5. 契約・決済承諾後に売買契約、代金決済と抹消書類の引渡し
図:住宅金融支援機構の任意売却の流れ(要約)
注意

機構が確認していない価格で売り出すと、買主が見つかっても抵当権抹消に応じてもらえない場合があります。独断で価格を決めず、先に借入先に相談してください。流れや期限は任意売却の流れと期限|投資用マンションの残債・入居者対応と買取でも解説しています。

放置して延滞すると競売に進むおそれ

離婚の話し合いが長引き、どちらも返済しないまま放置すると、金融機関は抵当権に基づいて家を処分する手続に進みえます。競売は裁判所の手続で進むため、引渡しの時期を自分で調整しにくく、価格も任意売却より不利になりがちです。

連帯債務者や連帯保証人がいる場合、残った債務は家を出た側にも請求されえます。返済が苦しくなりそうな段階で、延滞する前に借入先に相談することが、離婚後の生活を守ることにつながります。

結論

オーバーローンの家は、放置するほど選択肢が減ります。査定で正確な差額を知り、延滞前に借入先へ相談することが、任意売却や買取を選べる状態を保つ一番の方法です。

売って清算するときの進め方と買取という選択肢

結論

共有名義の家は2人の同意がないと売れません。売る時期によって使える税の特例も変わるため、売却の手順と時期を離婚協議の中で決めておくことが大切です。

住み続ける人がいない、または住み続けるのが難しい場合は、売って清算するのが最もすっきりした方法です。ローンも名義の問題も一度に片づき、離婚後に元配偶者との関係が続くことも避けられます。

共有名義なら2人の同意がないと売れない

家が夫婦の共有名義の場合、各共有者は他の共有者の同意を得なければ共有物に変更を加えることができません(民法第251条)。家全体を売るには、共有者全員の同意と売買契約への関与が必要です。

離婚後に連絡が取りにくくなると、売却そのものが進まなくなります。話し合いがつかない場合の手段として共有物分割請求がありますが、時間も費用もかかります(共有物分割請求とは?費用・期間と競売リスク|訴えられたときの対応と買取)。売ると決めたら、売り出し価格の下限や引越し時期まで離婚前に合意しておくと安心です。

  1. 査定で価格を知る仲介と買取の両方の価格帯を確認し、残高との差を出す
  2. 借入先に相談する完済に必要な金額、オーバーローンなら任意売却の可否を確認する
  3. 売却条件を合意する価格の下限、手残りの分け方、引越し時期を書面に残す
  4. 売却・決済決済日にローンを完済し、抵当権を抹消して引き渡す

売却時期と3,000万円控除の関係

マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除は、親子や夫婦など特別の関係がある人に売ったものでないことが要件の1つです。また、以前住んでいた家は住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります(国税庁 No.3302 マイホームを売ったときの特例)。

家を出たあと売却を何年も先延ばしにすると、この期限を過ぎて特例が使えなくなることがあります。財産分与で相手に家を渡す場合も、離婚成立の前か後かで「夫婦間の譲渡」に当たるかどうかが変わりうるため、名義を動かす前に税務署か税理士に確認してください。

仲介と買取、離婚時に向いているのはどちらか

仲介は市場で買主を探すため高く売れる可能性がある一方、売れるまでの期間が読めず、内覧の対応も必要です。買取は不動産会社が直接買い取るため、価格は仲介より低めになりやすいものの、売却時期を決めやすく、内覧も不要です。

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比較項目 仲介 買取
価格 市場価格で売れる可能性がある 仲介より低めになりやすい
売れるまでの期間 買主が見つかるまで読めない 条件が合えば短期間で決まる
内覧・近所への影響 内覧対応が必要 内覧が不要で周囲に知られにくい
向いているケース 時間に余裕があり、少しでも高く売りたい 離婚前後に早く清算したい、2人の連絡を長引かせたくない

どちらが有利かは、残高との差額や急ぎ具合によって変わります。オーバーローンの家でも、査定額次第で買取と任意売却のどちらが合うかが分かれます。売り方の比較は投資用マンションのオーバーローン売却|残債・任意売却・買取までを解説も参考にしてください。

よくある質問

離婚したら連帯保証人から外れられますか?

離婚しただけでは外れません。保証人の変更・脱退には金融機関の承諾が必要で、代わりの保証人や返済能力の審査を経ても希望どおりにならないことがあります。確実に外れるには、主債務者による借り換えや完済が必要です。

財産分与はいつまでに請求すればよいですか?

話し合いがまとまらない場合の家庭裁判所への申立ては、2026年4月1日以降に離婚した場合は離婚の翌日から5年以内です。それより前に離婚した場合は2年以内です。期限を過ぎると家庭裁判所に申し立てられなくなるため、離婚の時期を確認して早めに動いてください。

財産分与で家をもらうと贈与税はかかりますか?

通常はかかりません。財産分与請求権に基づく給付と考えられるためです。

ただし、婚姻中の協力で得た財産などを考慮しても多すぎる部分や、税を免れるための離婚と認められる場合は贈与税の対象になります。家を渡した側には譲渡所得の課税がありえます。

オーバーローンでも家を売ることはできますか?

できます。不足分を預貯金で補えば通常の売却ができ、補えない場合は金融機関の同意を得て任意売却する方法があります。任意売却は一般に競売より高く売れますが、残った債務の返済は続くため、事前に借入先と相談してください。

家を出た元夫は住宅ローン控除を受け続けられますか?

控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることが要件のため、家を出た名義人は、住まなくなった年以降は原則として受けられません。財産分与で持分を取得して借り換えた側は、要件を満たせば追加取得した持分も控除の対象になります。

この記事のまとめ

  • ローン契約書・保証契約書・登記事項証明書で、債務者・保証人・名義を確認する
  • 連帯債務者・連帯保証人は、離婚後も相手が払わなければ全額を請求されうる
  • 財産分与の申立期限は、2026年4月1日以降の離婚なら5年、それより前なら2年
  • 家を渡した側には譲渡所得の課税、受け取った側は原則贈与税なし
  • 住み続けるなら住む側名義への借り換えが確実。名義人が払う形は滞納リスクを伴う
  • オーバーローンは延滞前に借入先へ相談し、任意売却や買取も比べて決める

どの選択肢を取るにしても、出発点は「家が今いくらで売れるか」です。まず現在の価格を知り、ローン残高との差を確かめるところから始めてください。

この記事を書いた人

売却ナビット編集部(運営:合同会社GREA)
不動産の一括査定サービス「売却ナビット」を運営。相続・老朽化・投資物件など、売りにくい不動産の売却相談を扱っています。
〒113-0033 東京都文京区本郷1-4-4 水道橋ビル6階/TEL 03-5615-9793(10:00〜18:00 年中無休・年末年始を除く)
記事内の税制・法令に関する記述は、国税庁・法務省・国土交通省などの公表情報をもとに作成しています。個別の判断は必ず税理士等の専門家にご確認ください。

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