「昔、親が縁側を部屋にした」「離れを建て増しした」という古い家を売ろうとして、登記簿の床面積が実際より小さいと気づくケースは珍しくありません。結論から言えば、増築部分が未登記でも売買契約そのものは可能です。ただし買主が住宅ローンを使う場合、金融機関はほぼ必ず登記を融資の条件にするため、実務上は「登記してから売る」か「登記を求めない買主に売る」かの二択になります。しかも増築の未登記は、不動産登記法上は1か月以内の申請義務違反にあたり、10万円以下の過料の対象です。義務と罰則、登記の費用と必要書類、登記して初めて違反建築が判明するリスク、登記せずに手放す方法までを順に整理します。
増築未登記の家でも売却はできるが、そのままでは買主が限られる
「未登記だから売れない」わけではありません。問題は、買主が第三者に所有権を主張できるか、そして融資を受けられるかです。
「増築未登記」とは登記簿と実際の建物がずれている状態
建物の登記記録は、物理的な状況を記載する「表題部」と、所有権や抵当権を記載する「権利部」に分かれています。増築未登記とは、このうち表題部の床面積・構造・階数が実際の建物と一致していない状態です。登記簿では1階60.00平方メートルなのに、実際は8平方メートルの部屋が張り出している、といったケースが典型です。
登記簿に「増築未登記」とは書かれていません。最も手軽な確認方法は、登記記録の床面積と固定資産税の課税明細書の床面積を突き合わせることです。市区町村は現況で家屋を評価するため、増築部分が課税明細にだけ載っていることがよくあります。両者の数字が違えば、増築未登記を疑ってよいでしょう。
未登記には3つのパターンがある
手続きも期限もパターンごとに異なります。自分がどれにあたるかを最初に確定させてください。
| パターン | 登記記録の状態 | 必要な登記 | 申請期限 |
|---|---|---|---|
| 建物全体が未登記 | 登記記録そのものが存在しない | 建物表題登記(+所有権保存登記) | 所有権を取得した日から1か月以内 |
| 増築部分が未登記 | 登記記録はあるが床面積などが現況と違う | 建物表題部変更登記(増築登記) | 変更があった日から1か月以内 |
| 取り壊した建物の登記が残っている | 現存しない建物の登記記録が残ったまま | 建物滅失登記 | 滅失の日から1か月以内 |
いずれも「表示に関する登記」で、申請の代理を専門とするのは司法書士ではなく土地家屋調査士です。法務省も、不動産の表示に関する登記の代理申請を行う専門家として土地家屋調査士を挙げています。所有権保存登記や相続登記といった「権利に関する登記」は司法書士の担当なので、建物全体が未登記のケースでは両方に依頼します。
仲介なら登記が実質必須、買取なら現況のまま進むことがある
仲介で個人の買主を探す場合、買主のほとんどは住宅ローンを利用します。金融機関は担保として抵当権を設定するため登記記録と現況の一致を求め、「決済までに増築登記を済ませること」が契約条件になるのが一般的です。一方、不動産会社が自ら買主となる買取では住宅ローン審査が存在せず、増築未登記を前提にそのまま買い取る判断ができます。登記費用と時間を負担できないなら、後半の買取という選択肢が現実的です。
増築の未登記は「うっかり」では済まない — 法律上の申請義務がある
不動産登記法51条:変更から1か月以内の申請義務
建物を増築して床面積が変わった場合、表題部所有者または所有権の登記名義人は、その変更があった日から1か月以内に建物の表題部変更登記を申請しなければならないと定められています(不動産登記法51条)。この義務は2024年の相続登記義務化で新設されたものではなく、以前から存在します。増築の際に施工業者が登記まで案内してくれることは多くないため、話が出ないまま完了してしまうのが実情です。
建物まるごと未登記なら47条の表題登記義務
建物全体が未登記のケースでは、新築した建物または区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に建物の表題登記を申請しなければならない、という規定が適用されます(不動産登記法47条)。「所有権の取得の日から」という部分がポイントで、相続で未登記建物を取得した相続人にもこの期限がかかります。
表題登記が入っていない建物には権利部が存在せず、所有権移転登記も抵当権設定登記もできません。買主に所有権を移すには、まず売主側で表題登記と所有権保存登記を入れる必要があります。
正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
不動産登記法164条は、47条1項や51条1項から4項までなどの規定による申請をすべき義務がある者が、正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処すると定めています。過料は刑事罰ではなく行政上の秩序罰ですが、売却の場面ではより現実的な不利益が生じます。決済直前に登記と現況の違いが発覚して引き渡しが1か月以上延びる、買主のローン承認が下りず契約が白紙解除になる、といった事態です。
登記していなくても固定資産税は課税されている
「登記していないなら固定資産税もかかっていないのでは」と思われがちですが、これは誤解です。登記されていない家屋であっても、市区町村は家屋補充課税台帳に所有者を登録して課税します。総務省も、登記簿に登記されていない固定資産について市町村長が補充課税台帳に登録する仕組みを固定資産税制度の解説のなかで示しています。
つまり「税金を免れている」のではなく「税金は払っているのに登記だけ現況と合っていない」状態です。ただし増築が市区町村に把握されていなかった場合は、登記をきっかけに課税されることがあるため、心配なら事前に資産税担当へ確認してください。
買主の住宅ローンが通らない本当の理由
「違法だから貸さない」のではなく、担保を確保できないという構造的な問題です。
抵当権は「登記できる不動産」にしか設定できない
民法177条は、不動産に関する物権の得喪および変更は、登記をしなければ第三者に対抗することができないと定めています(民法)。金融機関が設定する抵当権も同じで、登記して初めて他の債権者に優先する立場を主張できます。登記記録が存在しない建物や登記から漏れている増築部分には抵当権を登記できないため、金融機関から見れば「担保に取れない部分がある建物」になってしまうのです。
旧耐震の建物が不利になるのは担保価値の評価の問題ですが、未登記は担保設定そのものができないという別種の問題です。建物の古さでローンが通りにくいケースは旧耐震基準の家は売れない?住宅ローンが組みにくい理由と買取での売却方法もご覧ください。
登記面積と現況面積が違うと審査が止まる
金融機関は審査の過程で、登記事項証明書、建物図面、固定資産税の評価証明書などを突き合わせます。登記床面積と現況床面積が食い違えば必ず理由を確認され、増築が原因と分かれば「融資実行までに増築登記を完了させること」が承認条件として付けられます。実務では売主負担で登記するのが大半です。
未登記部分は担保評価に反映されない
仮に未登記のまま融資に応じたとしても、担保評価に含められるのは登記された部分だけです。8平方メートルの増築部分が評価から外れれば、その分だけ融資可能額が下がり、買い手の母数が大きく減ります。
ただし増築未登記は、登記さえ入れれば解消できる問題です。土地の条件そのもので売りにくくなるケースは再建築不可物件の売却方法で扱っています。
増築未登記を解消する手続き・必要書類・費用
建物表題部変更登記(増築登記)の流れ
増築登記は、おおむね次の順序で進みます。
- 登記事項証明書と固定資産税の課税明細書を取り寄せ、登記床面積と現況床面積のずれを確認する
- 土地家屋調査士に依頼し、現地調査・建物の測量を行ってもらう
- 増築時期と増築部分を特定するための資料(建築確認済証、工事の請負契約書、施工業者の証明書など)を集める
- 土地家屋調査士が建物図面・各階平面図を作成し、法務局へ表題部変更登記を申請する
- 登記完了後、登記事項証明書を取得して床面積が現況どおりに直っていることを確認する
登記手続の案内は法務局のウェブサイトにまとまっており自分で申請することも可能ですが、増築登記では建物図面と各階平面図の作成が必要で、正確な測量と作図の技術が求められます。
必要書類と、そろわないときの代替手段
求められる資料は、増築の時期・内容・所有者を証明できるものが中心です。
- 登記事項証明書(現在の登記内容の確認用)
- 建築確認済証・検査済証(増築時に建築確認を受けている場合)
- 工事完了引渡証明書(施工業者が発行するもの。業者の印鑑証明書・資格証明書を添えるのが一般的)
- 固定資産税の課税明細書や評価証明書(増築部分が課税されている事実の裏づけ)
- 申請人の住民票、認印など
古い増築では、施工業者が廃業している、建築確認済証が見つからないなど、書類がそろわないことも多くあります。その場合でも、固定資産税の課税明細や当時の請負契約書・領収書を補強資料として登記できることがあります。どこまで代替できるかは法務局の判断にもよるため、自己判断せず土地家屋調査士に確認してください。
費用の内訳と目安
| 費目 | 支払先 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 登録免許税(増築による表題部変更登記) | 国 | かからない(課税されるのは権利に関する登記や分筆・合筆など一部の登記) |
| 土地家屋調査士報酬(増築登記) | 土地家屋調査士 | 建物の規模・地域により変動。参考として、新築の木造2階建(床面積約148平方メートル)の建物表題登記の全国平均報酬額は85,174円(2022年度アンケート) |
| 登録免許税(所有権保存登記/建物全体が未登記の場合) | 国 | 不動産の価額の0.4%(1000分の4) |
| 司法書士報酬(所有権保存登記/同上) | 司法書士 | 事務所により異なるため要見積もり |
| 登記事項証明書などの取得費 | 法務局・市区町村 | 数百円〜数千円程度 |
登録免許税がかかるのは所有権の保存・移転や抵当権の設定といった権利に関する登記が中心で、建物の所有権保存登記の税率は不動産の価額の1000分の4です(国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」)。増築による表題部変更登記はこの課税対象に含まれず、実費はほぼ土地家屋調査士報酬とみて差し支えありません。
報酬の水準は日本土地家屋調査士会連合会の業務報酬統計資料が参考になります。2022年度のアンケートでは、新築の木造スレート葺2階建(床面積約148平方メートル)の建物表題登記の全国平均報酬額は85,174円で、中国圏約79,405円、近畿圏約90,239円と地域差がありました。増築登記そのものの平均額ではありませんが、調査・測量・作図の対価の目安になります。
期間の目安と売却スケジュールへの影響
依頼から完了まで数週間程度みておくのが一般的です。読みにくいのは資料収集で、施工業者への連絡や書類の捜索に時間がかかると1か月以上に伸びることもあります。契約後に回すと決済日を動かさざるを得ないため、売り出す前に登記を整えておくほうが安全です。
登記しようとして初めて分かる「違反建築」というリスク
登記の問題(不動産登記法)と建物の適法性の問題(建築基準法)は別の制度ですが、増築未登記の家では両方が同時に問題になりがちです。
10平方メートル以内なら建築確認が不要になる例外と落とし穴
増築のすべてに建築確認が必要なわけではありません。防火地域および準防火地域以外の区域で、既存の建築物がある敷地内に床面積の合計が10平方メートル以内の増築を行う場合は、建築確認および完了検査が不要とされています(建築基準法6条2項)。多くの小規模な建て増しがこの例外にあたるため、「確認申請をしていない=違法」とは限りません。
ただし落とし穴が2つあります。防火地域・準防火地域内では10平方メートル以内でも確認申請が必要で、都市部の住宅地はこれらに指定されていることが多い点。もうひとつは、建築確認が不要でも建築基準関係規定そのものには適合させなければならない点です。確認申請が要らないことと、建ぺい率・容積率の制限を超えてよいことは別の話です。
建ぺい率・容積率オーバーは既存不適格ではなく違反建築
既存不適格は、建築当時は適法だったものの、その後の法改正で現行基準に合わなくなった建物です。一方、違反建築物は、建築当時から、あるいは後の増改築によって基準に違反する状態になった建物を指します。
増築で建ぺい率や容積率の上限を超えた場合、原因は法改正ではなく所有者側の増築行為なので、既存不適格ではなく違反建築物として扱われます。同じ「現行基準に合っていない建物」でも法的な位置づけが違い、国土交通省も既存不適格建築物に対する指導・助言・勧告・是正命令制度と違反建築物対策を別々の枠組みとして整理しています。
是正命令・除却命令の対象になりうる
違反建築物については、特定行政庁が所有者などに対して、工事の施工停止、建築物の除却・移転・改築、使用禁止・使用制限といった是正措置を命じることができます(建築基準法9条)。古い住宅の小規模な増築に命令が出る例は多くありませんが、仲介では重要事項説明で違反の可能性に触れざるを得ず、それだけで買主が引くこともあります。
また、建ぺい率・容積率オーバーの建物は金融機関の融資対象から外されることが多く、増築登記を入れてもローンが通らない結果になりかねません。登記で違反が公になるのを不安に思う方もいますが、市区町村はすでに現況で家屋を評価しており増築の存在は把握されているのが通常です。隠して売るほうがリスクは高いと考えるべきでしょう。
検査済証がないときに使える国土交通省のガイドライン
古い家では、完了検査を受けておらず検査済証が存在しないこともあります。現行の建築基準にどこまで適合しているかを確認する手段として、国土交通省が調査ガイドラインを整備しています。従来の「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」は2025年4月1日以降、新たな「既存建築物の現況調査ガイドライン」に引き継がれ、いずれも国土交通省の既存建築物の活用の促進に関するページで公表されています。
この調査は建築士や指定確認検査機関が行うもので、費用と時間がかかります。
相続した実家が増築未登記だったときの進め方
増築未登記が表面化する場面として最も多いのが相続です。期限のある手続きが重なるため、順序を整理しておきましょう。
未登記建物と相続登記義務化の関係
2024年4月1日から、相続によって不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務づけられました。正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の対象です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。施行日前に開始した相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日までです。制度の全体像は相続登記の義務化とは|2027年3月の期限と10万円の過料を解説で解説しています。
ここで場合分けが必要です。建物の登記記録があり増築部分だけが未登記なら、所有権の登記名義人が存在するため相続登記の義務がかかり、加えて表題部変更登記の義務も残ります。これに対し建物全体が未登記の場合、同法76条の2が義務を課すのは「所有権の登記名義人について相続の開始があったとき」なので、権利部がなく登記名義人が存在しないこのケースは対象から外れます。ただし所有権を取得した日から1か月以内に表題登記を申請する義務が別途かかります。
遺産分割協議書の書き方と市区町村への届出
未登記建物は登記事項証明書がないため、遺産分割協議書に登記簿の表記を写せません。固定資産税の課税明細書や名寄帳をもとに、所在・家屋番号(ない場合はその旨)・種類・構造・床面積を特定できるように書き、「未登記建物である」旨を明記しておくと後の手続きで混乱しません。
あわせて必要なのが市区町村への届出です。未登記家屋の所有者が相続や売買で変わった場合、多くの自治体が「未登記家屋所有者変更届」などの提出を求めています。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、届出をしないと前の所有者に納税通知書が届き続けます。様式は自治体ごとに違うので窓口に確認してください。
解体するなら「家屋滅失届」を忘れない
登記されている建物を取り壊したときは、滅失の日から1か月以内に建物滅失登記を申請する必要があります(不動産登記法57条)。一方、未登記の建物には登記記録がないため滅失登記はできず、市区町村の資産税担当に「家屋滅失届」を提出します。
この届出を怠ると、存在しない建物に翌年度以降も固定資産税が課税され続けるおそれがあります。自治体も未登記家屋の取り壊しは把握が難しく、誤課税の原因になると案内しています。なお解体して更地にすると住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がる点にも注意が必要です。詳しくは空き家の解体費用が払えない場合の売却方法|解体せず買取してもらう選択肢で整理しています。
登記費用をかけずに手放したい場合の買取という選択肢
「登記の手間も費用もかけたくない」という場合の現実的な出口が、不動産会社による買取です。ただし万能ではないので、引き換えに何を失うのかまで含めて判断してください。
仲介と買取の違い
| 項目 | 仲介(個人の買主に売る) | 買取(不動産会社が買主) |
|---|---|---|
| 買主の住宅ローン | 利用するのが前提 | 利用しない |
| 増築登記 | 決済までの完了を求められるのが一般的 | 現況のまま買い取ってもらえる場合がある |
| 売却までの期間 | 買主探しから決済まで数か月かかることが多い | 買主を探す工程がないため短期間で決まりやすい |
| 売却価格 | 市場価格に近い水準を狙える | 再販コストが差し引かれるため市場価格より低くなる |
| 売主の手間 | 内覧対応・書類収集・登記手配が必要 | 内覧対応が不要で、書類の負担も軽い |
買取なら住宅ローン審査がないため未登記のまま話が進む
買取では不動産会社が自ら買主となり自己資金で購入します。抵当権を設定する必要がないため、増築部分が登記されていないことが取引の障害になりにくいのです。買取業者は購入後に自社で増築登記を入れたり、リフォームや解体をして再販することを前提に価格を組み立てます。登記の手配や書類集めを業者側に引き継げるということです。
ただし建ぺい率・容積率オーバーなど建築基準法上の問題まで消えるわけではありません。違反の程度によっては買取業者でも扱えない、あるいは価格が大きく下がることがあります。査定の段階で増築の時期・面積・建築確認の有無を正直に伝えておきましょう。
買取価格の下がり分と、登記費用・時間を天秤にかける
判断のポイントは、「登記を入れて仲介で売った場合の手取り」と「登記せずに買取で売った場合の手取り」を比べることです。増築登記の実費が土地家屋調査士報酬中心で数万円から十数万円の水準に収まるなら、金額だけを見れば登記して仲介に出すほうが有利になりやすいでしょう。
一方で、建築確認済証も施工業者の証明も得られない、相続人が遠方で現地に行けないといった事情があると、登記が完了するか読めません。この不確実性を金額に換算すると、買取のほうが合理的になる場面が出てきます。
どちらを選ぶかの判断のめやす
- 建築確認済証や工事関係の書類が手元にあり、時間にも余裕がある → 先に増築登記を入れて仲介で売る
- 書類がそろわず、施工業者も連絡がつかない → 買取を含めて相談し、業者側で登記できるか確認する
- 建ぺい率・容積率オーバーの可能性が高い → 登記の前に、現況で買い取れる業者があるかを先に確認する
- 相続した不動産の売却に使える特例の期限が迫っている → 時間の読める買取を優先的に検討する
- すでに買主が決まっていて決済日が近い → 最優先で土地家屋調査士に相談し、登記完了までの日数を確定させる
いずれのルートでも、まず登記事項証明書と固定資産税の課税明細書を取り寄せ、床面積のずれの有無と規模を確認するところから始めてください。
よくある質問
増築部分を登記しないまま売却したらどうなりますか?
売買契約そのものが無効になるわけではありませんが、買主が住宅ローンを使う場合はほぼ確実に登記が融資の条件になります。また、登記されていない部分について後から面積の相違を指摘され、契約不適合を巡るトラブルに発展することもあります。売却前に増築の有無を告知し、登記するか、現況のまま買い取る業者を探すかを決めておくのが安全です。
増築登記にはどのくらいの費用がかかりますか?
増築による建物表題部変更登記そのものには登録免許税がかかりません。実際の負担は土地家屋調査士への報酬が中心です。日本土地家屋調査士会連合会の2022年度アンケートでは、新築の木造2階建(床面積約148平方メートル)の建物表題登記の全国平均報酬額は85,174円でした。増築登記の金額は建物の規模や地域で変わるため、必ず見積もりを取ってください。
増築したときの建築確認済証や工事の書類が見つかりません。登記できますか?
書類がそろわない場合でも、施工業者に工事完了引渡証明書を再発行してもらう、固定資産税の課税明細で増築時期を確認する、といった方法で登記できることがあります。施工業者が廃業しているなど代替手段がないケースもあるため、まずは土地家屋調査士に現況を見てもらい、登記が可能かどうかを確認するところから始めてください。
相続した家が増築未登記でした。相続登記の義務違反になりますか?
建物の登記記録があり増築部分だけが未登記の場合は、相続登記の申請義務(3年以内)と、表題部変更登記の申請義務の両方がかかります。建物全体が未登記で登記記録自体がない場合は、所有権の登記名義人が存在しないため相続登記の義務の対象にはなりませんが、所有権を取得した日から1か月以内に表題登記を申請する義務が別途あります。